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「誕生日、欲しいものがあったら先に言ってね。考えるの、大変なんだから。」

突然、彼女がそんなことを言った。
言い方が少し気になるが、3度目のプレゼントともなればさすがに選ぶ側も大変だろうし、
何より先に決めておけば余計なケンカなどしなくて済む。

「じゃあ、マフラーがいいかな。」

あの時、僕は確かにそう言ったはず。
しかし当日になって渡されたのは『手編みの手袋』……。

僕はそれから、彼女への態度を改めなければいけないと思った。

一体なぜ?


(画像元:無料画像サイトPixabayより)
[弥七]

【ウミガメ】20年11月08日 20:30
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解説

恋人だから。

3年以上連れ添った彼女だから。
正直に言えば僕は随分と、この関係性に馴れきっていた。

出会った頃の恋愛一辺倒だった面影はもう無い。

無理に時間を作って会いたいと思うこともなくなったし、毎日電話をすることもない。駆け引きも、しない。少し距離を置きつつも、それでも密に接している、そんな生活。

今を倦怠期と呼ぶのだろう。でもこんなに長く一緒にいるのだから、僕たちを変だと笑う人はいない。

誰でも当たり前に訪れること。ただ、安定しているだけ。

僕にできることは彼女を信じること、詮索・干渉しないこと、そして何も言わないこと……。

それは、これからも2人仲良くやっていくために、一番大切なことだと思っていた。










「これはね、

最近スマホばっかり触ってる君が、

私と話してくれないからだよ。」

自分で編んだ手袋を渡して、彼女はそんなことを言った。





いろんな御託を並べながら、僕はすっかり2人の会話をなくしていたらしい。

一緒にいてもスマホを触り続けていた僕は、どう見えていたのだろう。彼女に寂しい思いをさせていた……それだけは確かだ。

今度の誕生日、欲しいものがあったら先に言ってね、なんて。

きっと前後の会話など、僕の耳に入っていなかっただけなのかもしれない。突然でもなんでもなく。

「……ごめん。」

大切な人との会話を大切にする、 これからも仲良くやっていくために。

そんな当たり前のことに気付いた誕生日だった。






「でも怒ってても、ちゃんと編んでくれるんだね。嬉しい^ ^」

「そりゃあ私たち……恋人ですから。

(おしまい)

簡易解答:今の関係に馴れてしまった僕は、会話をなくして彼女に寂しい思いをさせていたようだ。プレゼントされた手袋は、もっと2人の時間を大切にして欲しいというメッセージであると気付いたから。(手編みのマフラーは通電せず、スマホを操作できないということです)
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