男は船に乗っていた。
ある日、その船が遭難してしまう。
男と仲間たちは、ウミガメの肉を食べて生き延びた。
やがて全員が救助されたが、男は家に着いてすぐ自殺した。
なぜ?
※ルーシーさんの問題文を使わせていただきました。ありがとうございます。
まとメモは随時更新中です。相談チャットの下に配置されています。
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「それにしてもついてないなぁ、僕は」
「まさか船が難破して無人島に漂着するとは誰も思わねえだろ」
「あ、いえ。実は、無人島で助けを待つのは人生で二度目なんですよ」
ため息をつく男に、船旅を共にした仲間たちは苦笑したり励ましたりした。遭難した直後から続いた重たい空気は、とんだ災難だったな、と笑いあえば幾分かマシになったようだ。
彼らは連携をとって、寝床と火と、それから食事を調達することにした。男は食料を探す班に割り当てられた。
「あれ、もしかして」
男は気づいた。以前に流れ着いた島は、まさにこの島ではないか、と。彼はその時家族と一緒だった。ひどい飛行機の事故があり、海に投げ出されたが不幸中の幸いで上陸した。だが男の家族は、飛行機の墜落で負った怪我が響いたのか、徐々に弱って死んでしまった。残ったのは自分一人だった。
「もしかして、なんだ?」
「いや、なんでも」
今回も怪我人は多少いるが、島で食べられそうな果物や魚には心当たりがある。今度こそ、みんなで生きて帰れる。
そう思った男に、食料班のバディが話しかけた。
「それより、見てくれよ。こりゃだめだ」
「? どういうことですか?」
「この島の植物はみんな毒をもってやがる。食ったら死んじまうだろうな。それに浅瀬を泳いでるあの魚、あれもダメだ。ここら辺の海なら、そうだな。ウミガメを頑張って捕まえるしかなさそうだ」
「いま、なんて......」
男はめまいがした。自分はいいから体力の少ない妻と子に、と空腹を我慢して譲った食べ物が、みんな毒だったのだ。少ししか口にしなかった男は生き延びることができた。だが家族は......自分に殺されたようなものではないか。
結局、苦労してウミガメを捕えて食べた。量は少なかったが、救助まではもった。全員が生き延びた。
間違いなく、男の家族は男のせいで死んでしまったのだ。
男は帰宅した。しばらく人のいなかった家の空気は冷え切っていた。
広い家だった。家族みんなで暮らすための一軒家。
絶望のあまり男は自殺した。
FA条件
1.男が遭難し無人島に来るのは二度目である。
2.その時男は家族と一緒に来ていた。
3.無人島で調達できる食料は、ウミガメを除いて毒があり食べられない。
4.男は家族に毒を食べさせていたことに気が付いた。
の四つをいい感じに満たしていれば正解を出します(自分への戒め)。
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