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美波は、同棲中の恋人である修平から、出張で数日間帰宅しない旨を告げられた。
修平の出張が嘘であると見破った美波が思い出していた記憶の中において、美波が指でつまんでいた物は何か?
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答: トランプのジョーカー
「来週の月曜日から名古屋に出張で、水曜日まで帰らないから」
就寝直前、美波にそう告げた修平の鼻の穴は、ひくひくと伸縮していた。
(あれ?この仕草、どこかで・・・)
そう疑問に感じた美波の脳裏によぎったのは、大学生時代の記憶だった。
まだ美波と修平が交際していなかった頃、サークルの合宿でみんなでババ抜きをすることになった。美波と修平が最後まで残ってしまい、修平が持っている2枚の手札から、美波が1枚を引こうとしていた。
美波は片方のカードをつまみ、「こっちがババでしょ?」と修平に揺さぶりをかけた。美波がつまんだカードは果たしてジョーカーであったが、修平は当然「違うよ」と否定した。しかし、そのときに修平の鼻があからさまにひくひくと動いているのを見た美波は、修平が嘘をついていると見破ってババ抜きに勝利したのであった。
・・・その時とまったく同じように修平が鼻をひくつかせている。きっと修平は、嘘をついている。
修平は、何らかの理由でこのアパートを不在にするのであって、しかもその理由は美波には言えないようなものなのだろう。
だとすれば、"切り札"を掴むために色々と準備をしなければならなさそうだ。
今しがた辿った思考をおくびにも出さずに、美波は修平に「おやすみ」と微笑んだ。
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