「悪魔が木を切りて笛を吹く」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
少年は、自分と同じ色の服を着た悪魔に、おそるおそる尋ねた。
「クリスマスツリーは、どうなったの」
悪魔は得意そうな笑みを浮かべて答えた。
「俺が1本残らず倒してやったのさ」
涙する少年は悪魔に背を向けた。
少年以外の周囲の者たちは、笛を吹いて悪魔を賞賛している。
どういうことか。
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ペアで交互に投げるルールのボウリング大会で、少年は悪魔とペアを組んでいた。
少年・悪魔ペアリードで迎えた、大事な最終フレーム。
スペアかストライクが出ればほぼ勝利、出なければ負け確定である。
少年の1投目。あろうことか、③-⑦-⑩ピンが残る(通称:クリスマスツリー)という結果に。
このスプリットからスペアを取るのは、かなりの難易度である。
負けてしまった。
僕のせいで。
少年は天を仰いだ。
と。
「おい少年、次はお前の投球順だ」
悪魔に呼びかけられ、少年は戸惑った。
「次は悪魔が投げる番じゃないの?」
もう投げた? そして僕にはもう回ってこないはず・・・?
少年は、自分と同じチームカラーの服を着た悪魔に、おそるおそる尋ねた。
「クリスマスツリーは、どうなったの」
悪魔は得意そうな笑みを浮かべて答えた。
「俺が1本残らず倒してやったのさ」
勝った。
いや、次で僕が4本以上倒せば、だ。
周囲の対戦相手たちは、敵ながら見事なスプリットメイクを果たした悪魔を、笛を吹いて賞賛している。
涙する少年は、悪魔に背を向け、レーンの前でボールを構えた。
物語:1票