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ある日突然、
微睡む私に、彼女が言った。
「ねぇ…私、あと半年で死んじゃうんだって。」
いつもの調子で冗談めかす彼女だったが、
私は彼女の言っていることが真実だと確信した。
彼女の顔色を伺ったわけでもないのに、だ。
さて、一体なぜ?
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「ただいま。」
長い間入院していた彼女が突然、同棲しているアパートに帰ってきた。
「ねぇ、久々に耳かきしてあげるよ。」
彼女は帰ってきてそうそう、そんなことを言うのだった。
・・・
彼女の膝枕で耳かきをしてもらうと、
気持ちよくて、ついウトウトしてしまう。
とても穏やかな、至福の時間。
そんな幸せな時間は、彼女の一言で終わりを告げた。
「ねぇ…私、あと半年で死んじゃうんだって。」
私の耳元にぽたりぽたりと落ちる雫。
それが彼女の涙だと気づくのに、そう時間はかからなかった。
(………まさに『寝耳に水』だな…。)
声色こそいつも通りだったが、
涙が偽りだとは到底思えない。
彼女の告白は、きっと真実なのだろう。
…泣き顔を見られたくなかったから、
急に「耳かきしてあげる」なんて言ったのかな。
彼女の耳かきが終わるまで、
私は、耳元に落ちる涙を、ただじっと受け止めることしか出来なかった。
答え:
寝耳に涙が落ちてきたから。
(顔色を伺えなかったのは、耳かきの途中だから。)
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