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母と娘のブルース」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
「アンタ、いつまで寝てんの?!」階下のリビングから母、アキコの声が聞こえてくる。
「あたし、学校行きたくない。」と、娘ミユキ。
「いつまでそんなこと言ってんのよ!朝ごはん早く食べちゃいなさい!」
「もうわかったから!」 
こんなやり取りをしながら、いつも私はしぶしぶ学校へ行く。

学校は嫌いだ。
私の周りは意地の悪いコばっかりで、今日も教室で私の陰口をヒソヒソ噂してた。
人付き合いもそうだけど、勉強だって特別できるわけじゃないし。
しかも、今日は定期テストの日。
どうしよう。ペンを持つ手が全く動かない。
なんでもっと前から勉強してこなかったんだろう。ミユキは心の中でそう呟いた。

晩ごはんの時に、母からテストのことを聞かれた。
「今日のテスト、どうだったの?」
「実は、その……全然ダメだった。」私がそう答えると、母は少しの沈黙の後、こう言った。

「そう。まあでもアンタは頑張ったんじゃない?」

普段はとても厳しいアキコが、テストの結果がいくら悪くてもミユキを叱らなかった理由はなぜか。
[北大路]

【ウミガメ】【闇スープ】22年02月10日 19:32

2/12(土)24:00に回答を締め切る予定ですが、回答者の方の様子を見まして適宜延長いたします。

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ミユキ、22歳。今年から母校の緑が丘中学校に着任した。
晴れて憧れの教師となったものの、すぐに社会人の現実を突きつけられることになった。

教師がこんなにも大変だったなんて……
朝のホームルームに始まり、授業もこなす。宿題だって出さないといけないし。
着任一年目でまだ何もわからないのに、いきなり山のように仕事を任されても参っちゃう。
そんな私を見てか、クラスの生徒も陰で噂するの。あの先生ってなんか頼りないよねって。
もう学校なんて行きたくなってしまいそう。

今日は定期テストの日。
勉強は得意じゃないけれど、少しでもあの子たちの点数が上がるようにって、精一杯分かりやすく教えてきたつもりだった。
それにここ数週間はずっとあの子たちのことを考えて、寝る間を惜しんで真剣に試験問題を準備した。
だけど、テストが始まったら、どうかしら。
ほとんど誰もペンが動いてないじゃない!
勘弁してよ、あなたたち。少しはちゃんと勉強してきなさいよ。

家に帰ってからというもの、私はずっと落ち込んでいた。
そんな私を見るに見かねてか、いつもは仕事に一切口を出さない母が、夕食の時間にテストの話を切り出してきた。
「今日のテスト、どうだったの?」
「実はその……全然ダメだった。みんな口を揃えて難しかったって。やっぱり私、教師向いてないのかな……」

少しの沈黙の後、母は言った。
「そう。まあでも、あれだけ悩んでテスト問題考えてあげてた訳だし。アンタはアンタなりに頑張ったんじゃない?」

普段は厳しい母の、その何気ない一言が胸を突いた。
今日のスープはいつもより少しだけ温かい気がした。
トリック:4票物語:2票納得:2票良質:9票
全体評価で良質部門
わかめ>>コメントなし
レヴィ>>コメントなし
あ×4>>コメントなし
トリック部門
おだんご>>コメントなし
いんふぃ[1歳]>>まんまと騙された… 叙述トリックが上手で、とても好きです。
ベルン>>気づく人(スナイパーたち)には気づかれていましたが上手だと思います
闇汁[☆2021良いお年を]>>ペンを持つ手 なんで勉強してこなかったんだろう この言い回しが非常に巧みだと感じました。
物語部門
おだんご>>コメントなし
霜ばしら>>コメントなし
納得部門
おだんご>>コメントなし
蒼い胡蝶蘭>>コメントなし