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カメオは二年ぶりに仲の良かった従姉妹の家を訪ねた。
従姉妹の母、つまり彼の叔母から招かれた為だ。
そこで叔父の姿を見たたカメオは愕然とする。
一月前カメオに会いに来た時とはあまりに違う。
「久しぶり」に目にするその姿は思い出したくも無い記憶を嫌でも呼び起こす。
これがつみってやつか。
カメオは絶望し従姉妹に恨み言を言いたくなった、一体何故だろう?
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二年前のあの日、カメオは叔父と従妹と一緒にクルージングに出かけ遭難した。
食料はほとんど無く、救助が来るまで堪え忍ぶ日々が続く。
三人とも食料節約のため必要最低限しか動かず周りに救助の船が見えないかバラバラに散り
若く体力のあるカメオはそれぞれの連絡係としてたまに他の二人の様子を見に行く日々を繰り返す。
そしてある日、カメオが従妹の所まで行くと彼女は衰弱し力尽きようとしていた
従妹は体が元々弱く優先的に食料を回していたのだがこの状況の過酷さでは意味が無かったのだ。
彼女は最期にカメオにこう言い残した「私が死んだらその肉を二人で食べて」
「お父さんには私が食べたウミガメのスープの残りといえばいい」
「無事救助が来るまで私の死は伏せて、でないとお父さんも無事に帰る気なくなっちゃう」
カメオは言われた通りにし叔父には彼女の肉をウミガメのスープと偽って食べさせた。
叔父と自分が生きるためとはいえなんと言う罪深いことをしてしまったのだろう
以降このことは彼をずっと苦しめることとなる。
それから何日かあと救助が来て二人は助かる事になる。
従妹は気づいたらいなくなっていたと叔父と救助者には伝えた。
叔父は助かった後ももしかしたら娘はどこかで生きているかもというのを心の支えにしていたという。
あれから二年よく遊びに行っていた叔父の家にはあれから一度も行っていない。
叔父がカメオのレストランにやってきた時は驚いた。
注文がウミガメのスープだったときは目眩がした。
これは本当にウミガメのスープかい?
胃がキリキリするのをこらえカメオは考える、この場をしのぐための言い訳を必死に。
あのときとは状況が違いますよキチンとした材料もありますし器具もある。
それと空腹は最高の調味量っていいますしそれで味が違うように感じたのかも
そうかい・・・店では無理だろうから今度うちに来て材料をあの時と同じで作ってくれないか?
とりあえずこの場を凌げた事にほっとするカメオ、それが更なる地獄に繋がるとは思いもよらなかった。
それから一ヶ月後、叔母から呼び出される。
叔父がおかしい、あの遭難をともに生き延びたカメオなら何かわかることがあるんじゃ無いかとのことだった。
ああカメオか、妻がいらない気を回したようだね。
あと一週間したらまた呼ぶからその時にスープを振舞ってくれるかい?
その姿を見た瞬間、あの忌まわしい遭難の体験を思い出す。
叔父はやせ衰えすさまじい形相になっている。
食料がない状態ならともかく日常でここまで飢えを我慢出来るものなのか。
少なくとも同じ極限状態を経験した自分には不可能だ。
叔父のすさまじい執念と従妹への愛を感じ戦慄するカメオ。
この状態の叔父に適当な言葉は言えないし、逃げる訳にもいかない叔父はそのまま死ぬだろう。
かといって本当のことを言っても愛する娘を食べたという事実に叔父は耐えられるのだろうか?
どう足掻いても詰んでいる、叔父は助からないのではないか。
またお前のせいでつらい決断をしなきゃいけなさそうだ、心の中で従妹に恨み言をいうのであった。
物語:1票