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『どっどっどっどっどっどっどっどっ……』
外から特徴的な音が聞こえた気がして、私はハッと目を覚ました。
数年前に亡くなった祖父が愛用していた、トラックのエンジン音だ。
(祖母が家に訪ねてきたのだろうか?)
そう思ったが、
ベッドの横で眠っている愛犬のコロを見て、そうではないことを悟った。
コロはかなりの老犬だが、エンジン音を聞き分けているようだった。
祖父母が訪ねてきた時は必ず、ヨタヨタと玄関先まで迎えに行くのだ。
「おばあちゃんを迎えに行かないのかい?コロ?」
そう言いながらカーテンを開けてみたが、誰の姿も見えない…。
私は全てを察した。
(…そうか…『逆』だったんだな…。)
さて、
この時、なぜコロは玄関先に行かなかったのだろう?
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寝てて気づかなかったけど、ばぁちゃん来てたんだね~。
ていうか、まだ生きてたんだねぇ。死んだと思ってたよ。
あまり良くない冗談だとは分かっているが、
リビングにいる母さんにそんな軽口を叩いてみる。
『こらっ!勝手に殺すんじゃないよっ!!』
母さんのスマホから、聞き覚えのある怒鳴り声。
ばぁちゃん、元気だな。
こりゃまだまだ死にそうにないや。
大好きなばぁちゃんが帰って死んだようにふて寝していたコロも、
いつも通りバクバクとエサを平らげている。
ははは、お前もまだまだ長生きしそうだな。
顔を上げたコロは、
なぜか私ではなく、とあるクイズ出題サイトを開いているPCの画面に向かって、
『勝手に殺すな!』
とでも言いたげに、ワン、と吠えた。
答え:
この時、祖母は『訪ねて来た』のではなく、今まさに『帰った』ところだったから。
へ?コロにお迎え?なんのこと?
…コロやおばあちゃんが死んでる前提で考えちゃったそこのアナタ!
勝手に殺すな!
※
こんな風に匂わせてくるってことはどうせ犬は死んでないんだろうな
…と先読みして、あえてその質問を躱した一部の方々、お見事です。
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