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12月15日。
田中は毎年その日にティッシュを頭の上にのせる。
その行為を5年間続けていたのだが今年はやらなかった。
その日、ティッシュを切らしていたのだが、やらなかった理由はそのせいではない。
田中が『ティッシュ頭のっけ』をやめた理由は何か?
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12月15日。
「ティッシュ… はもうないか」
仕方なく袖口で溢れてくる涙を拭った田中。
今日は田中の息子の誕生日。
しかし息子は8歳の誕生日を迎えることはできなかった。
一週間前。交通事故だった。
病院に搬送された時にはすでに意識はなく、そのまま目を覚ますことはなかった。
感情が追いつかない頭で葬式を終え、気づけば今日は息子の誕生日。
涙で滲んだ目で空になったティッシュ箱を見つめる。
田中は成長の記録に、と毎年家の柱に息子の身長の高さの傷をつけていた。
その時に用いていたのが、ティッシュ箱。
柱に垂直にピタッとくっつけて、そのまま息子の頭の位置まで下ろし、箱が頭に乗っかったところで印をつける。
「今日も来年も、その次の年も息子の身長を測る、はずだったんだ…」
田中は柱の傷を指でなぞり、またあらたに頬をつたう涙を袖口で拭った。
トリック:3票物語:4票納得:6票良質:9票
全体評価で良質部門
異邦人>>
なんてことの無いこと全てに意味がある。良い問題だ・・・。