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配管工のカメオは築40年以上経過した寂れた一軒家に住んでいる。
自宅兼作業場の一軒家は築年数相応に劣化しており、壁のところどころがひび割れ大きな亀裂の入っている箇所もあった。
ある日、隣家のカメコから騒音が聞こえてくると注意を受けたカメオは、壁を修理して厚くすることにした。
防音機能を向上させたおかげでカメコの家に騒音が漏れることはなくなった。
しかし、相変わらずカメコが文句を言い続けるので、カメオは軽度の寝不足に陥ってしまった。
カメオの家から騒音が漏れることはなくなったのに、どうしてカメコは文句を言い続けたのだろう?
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カメオはカメコを殺して自宅の壁に死体を埋めた。
それ以降、夜になると殺された恨みからカメコの幽霊が出るようになり、カメオに呪詛を呟くようになったから。
<細かいお話>
配管工のカメオは真面目に仕事をこなす一方で、人間を解体するという趣味を持っていた。
自宅でもある作業場では、夜な夜な攫ってきた人間を分解し、自分の趣味を満喫していた。
ペンチ、鋸、ハンマーなどなど、選定された道具の数々は仕事でも趣味でも欠かすことの出来ない存在で、工具に付着した人間の血や脂は古い厨房の油汚れなんかよりも簡単に落とすことが出来た。
ある日、カメオは隣人であるカメコから注意を受けた。
「夜になるとお宅から物音が聞こえてくるときがあるんだけど、どうにかしてくれない」
カメオは夜に作業場で仕事をしたことがない。
間違いなく、趣味で発生した音だった。
「すみません。すぐに何とかします」
カメオはカメコの言葉にとても動揺した。
なぜなら彼は、自分の趣味が他人の迷惑になっていると思っていなかったからだ。
作業場の壁は所々ひび割れていて、大きな亀裂の入っている箇所もあった。
早急に何とかしなければ。
しかし、作業場にあるセメントの量は少なく、壁全体を補装するには十分に量が足りていなかった。
どうにかして今あるセメントだけで修理しなくては。
「あ、そうだ」
カメオは閃いた。
カメコを殺して処刑されたキリストの様に壁に磔れば、人間一人分のセメントを減らせるのではないか。
早速カメオは実行することにした。
カメコをハンマーで撲殺し、作業場の大きな亀裂を塞ぐようにカメコの死体を磔た。
そして、その周囲をセメントで覆い、カメコの死体がちょうど隠れるくらい壁を平らにならした。
壁のひび割れはすべて消え、亀裂もカメコが隠してくれた。
そのカメコもセメントが覆ってくれている。
「これでよし」
カメオは自分の作業に満足した。
ただ一つだけ、カメオには誤算があった。
それは、殺したカメコが毎晩枕元に立ち、自分に文句を言うようになったことだ。
カメオはカメコの声に顔をしかめながら時計を確認する。
予定していた就寝時間はとっくに過ぎていた。
「ああ、五月蠅いなあ。こんなことなら他の死体と同じように、殺したとき口を潰しておくんだった」
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