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「1か月遅かったらなぁ」
夏になると悲しげにつぶやく少女が欲しいものは?
8/1(火)23時締切 ご参加ありがとうございました!
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《答え》
誕生日当日の「お誕生日おめでとう」の言葉
《解説》
少女は8月1日生まれ。
学校が夏休み中であるため、友人からは当日ではなく夏休み明けの9月1日に「誕生日おめでとう」を言われることが多く、誕生日が1か月遅かったら当日に祝ってもらえるのに、と思っている。
《補足》
小さいころから少女は誕生日を当日に祝ってもらったことが少なかった。
幼稚園で月別に開かれるお誕生日会は7月生まれと合同だったし、小学校に入れば夏休み中のクラスメイトの誕生日なんて誰も覚えていない。
しかも8月前半というのは夏休み誕生日組の中でも特に忘れられがちだ。
7月後半なら登校日があるし、8月後半なら夏休み明けまでそこまで日にちが開かないので割と祝ってもらうタイミングがある。
…まあ、どんぐりの背比べなんだけども。
少女の場合は、よくて仲のいい友人から数年に一度、「1か月遅れだけどおめでとう」と言われるくらいだ。
さすがに両親は当日に「おめでとう」とは言ってくれるものの、共働きで忙しいことに加え、記念日の類に無頓着だったので、ケーキとプレゼントが当日でないことの方が多かった。
そんな環境で育ったので、絵本で読んだ「お誕生会」だとか友達から「誕生日おめでとう」と言われるとかそういうことに対する憧れが人一倍強かった。
それでも、成長するにつれて両親に似て記念日の類を祝ったり祝われたりすることにだんだん無頓着になっていった。そうでもないと、世界中で自分の誕生日を当日に祝ってくれる人なんていない、という事実に向き合わないといけなくなるから。
大学生になったある日。ネット上でウミガメのスープが遊べるサイトを見つけた彼女は、ユーザー名を考えることになった。
名前っぽくて、打ちやすくて、どこか自分自身とのつながりもあって…
そこで思いついたのが自分の誕生日をもとにした名前。
(あぁ、案外気にしていたんだなぁ)
そうしてつけたユーザー名のおかげで、今ではたくさんのお祝いコメントをもらうようになって、彼女は幼い自分が救われたような気持ちになっているのだった。
少女のころの自分が時をかけて未来に来たのなら驚くだろうな、と微笑みながら。
(この文章はフィクションです)
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