「桜に似た」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
名家の令嬢キリコとの婚姻を承諾してもらうために挨拶に来たイチハ。
「娘さんを僕にください!」
母のマサコは首を横に振った。
「細かなところに気を配れるキリコさんに恋しました!」
「それから料理が上手なところとか!」
「大好きな書道に熱心なところとか!」
「僕のことを愛してくれるところとか!」
「二人なら幸せな家庭を築けそうなところとか!」
それでも首を横に振った。
「あと〇〇〇がかわいい!」
マサコは首を横に振るか迷った。
伏字に入る、身体の一部は何か?三文字で答えて欲しい。
解説を見る
FA:
八重歯
令嬢らしく凛々しくてしっかり者のキリコは、イメージも相まって普段から人に頼られることが多く、しかし嫌な顔一つせず周りの人に献身的になる人物だった。
将来築かれるだろう家庭でもそんな性格から気苦労が多くなることを懸念して、悉く表面的で生半可な求婚を断ってきた母のマサコ。
「細かなところに気を配れるキリコさんに恋しました!」
「それから料理が上手なところとか!」
「大好きな書道に熱心なところとか!」
「僕のことを愛してくれるところとか!」
「二人なら幸せな家庭を築けそうなところとか!」
気配りができるというのは、キリコの気苦労の証だ。
料理が上手なのもそう。別にこの若君を好いていなくとも、キリコの優しさからこういった献身が生まれるかも知れない。
書道に熱心なのは、キリコの個性なだけ。それに憧れる男など、星の数ほどいる。
愛してくれている。この若君がそう思っていても、キリコの方はそんな深い自覚はないかも知れない。自分への愛を断りきれず、渋々愛を育んでいることすらありうる。
築けそう、というのは彼の傲慢だ。キリコの生涯の伴侶を、そんな決めつけで確定させる由はない。
マサコは首を横に振った。
「あと八重歯がかわいい!」
マサコは虚をつかれた。
キリコは凛々しくてしっかり者だが、そのイメージに違わず人前では滅多に笑わない。
もちろん気配りのできる優しい子であるのだが、あまり感情を表立って出さないのである。人を立てる献身的な性格の結果だろうか。マサコですら、満面の笑みを浮かべるキリコを見ることはそれほど多くない。
そんなキリコの「八重歯が可愛い」という。キリコの笑うところをよく見る人でないと知り得ない美点を挙げたこの若君は、日頃からキリコを幸せにしてあげているのではないか、とマサコは思った。
首を横に振るか迷ったマサコは、リビングから追い出していたキリコを呼び出した。追い出していた理由は、この場にキリコがいたら、イチハに乗せられて嘘でも彼を愛していると言いそうだったから。
楚々とした立ち居振る舞いでリビングへ入室したキリコは、イチハを見つけるとその瞳を輝かせた。
「イチハさん!どうでしたか??」
子供のように可愛らしい笑みを浮かべてイチハに駆け寄るキリコ。自然と、イチハの手を優しく握っていた。
えぇ〜…。キリちゃんめっちゃニコニコやん…。
マサコが首を縦に振るまで、時間の問題である。
簡易解説:
滅多に人前で笑わないキリコの「八重歯が可愛いこと」を知ってるなんて、こいつもしかして、普段からキリコを笑顔にしてあげてるいいやつなんじゃないの?と思ったから。
物語:5票納得:5票
納得部門
ぺてー>>
そんないきなり心変わりさせる魔法のアイテムが...と思いましたが、この答えには納得です