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らてらて高校、文化祭前日。
今大人気のアイスクリーム店を訪れた夏子は、おしゃれな店内と美味しそうなアイスクリームに目を輝かせていた。
まず1口、店の中でも1番人気だという「レモンソルベ」を食べた夏子。
その横で、千秋は自分のアイスクリームを夢中で食べていたのだが、「美味しい!」という夏子の歓声を聞いて、「1口分けて!」と訴えた。
答えを待たずして、千秋が手を伸ばして「レモンソルベ」を食べたので、
夏子は、明日の文化祭で、全く興味のないバンド「らてらてーず」のステージを見に行くことにした。
夏子が「らてらてーず」のステージへ行く目的とは、一体なんだろうか?
解説を見る
A.千秋と春人(レモンソルベを注文した人物)が2人で文化祭を見て回れるようにすること。
解説
「レモンソルベ」を注文していた春人。
夏子がまず1口、未使用のスプーンで春人の「レモンソルベ」を食べたのに対し、
千秋は既に自分のアイスクリームを食べた後の、使用済みのスプーンで「レモンソルベ」を食べた。
それを気にすることもない千秋と春人の様子に、2人が恋人関係にあると推察した夏子は、
既に3人で文化祭を見て回る約束をしていたために、「らてらてーず」のステージを見るという名目で1人離脱し、千秋と春人が2人きりになれるようにした。
とても長い解説
「ウミガメのスープ同好会」
白い模造紙に踊る大きな文字の横で、愛嬌のあるウミガメたちが泳ぐ。
渾身の出来栄えに、夏子は1人胸を張った。
「千秋! 春人! 看板準備おっけー!」
「私も問題は絞ったし難易度も分けたよ。だけどFA条件と想定質問が終わってないからお願いしたいかも」
「千秋、ヒントもまだだぞ」
「そうだった! 全然終わらない……」
明日はらてらて高校文化祭。
文化祭準備の期間は、学校中の誰もが忙しく立ち働いている。各クラスの準備を抜けて、同好会の展示準備に当てられる時間は少ない。まして、この学校に3人しかいない非公式同好会であれば尚の事。
結局放課後ぎりぎりまで残って準備し、帰宅を促す生徒会長の真面目な声をBGMに、夏子たちは学校を飛び出した。
「あー疲れた。打ち上げ行こ、打ち上げ!」
「気が早いな。普通文化祭の後だろ? どうせ一緒に見て回るんだから、明後日でも良いんじゃないか」
「いーのいーの、文化祭準備の打ち上げ。ほらいいでしょ千秋?」
「良いんじゃない? 私たち頑張ったし」
「千秋がそう言うなら」
「ちょっと春人、千秋に甘くない?」
わいわいと騒ぎながら、駅までの道のりを歩く。相談と壮絶なじゃんけん大会の末に、行き先は駅前の大人気アイスクリーム店に決まった。
茹だるような熱気の中を暑い暑いと愚痴りながら歩き、目的の店へと辿り着く。扉を開けるなり、夏子はおしゃれな店内と美味しそうなアイスクリームに目を輝かせた。
「ご注文は以上でよろしいでしょうか」
「はい!」
机の上に並んだ色とりどりのアイスクリーム。すかさず写真をとった夏子は、2人へのメンションと共に「ラテスタ」へと投稿していく。
「写真ばっかり撮ってると溶けるよ?」
「そうじゃん! ありがと千秋!」
「夏子、俺の1口食べるか?」
そう言って、春人は夏子に看板メニュー「レモンソルベ」を差し出す。最後の最後まで夏子が「レモンソルベ」を注文するか迷っていたのを、しっかりと見ていたのだ。
「えーさすが春人、気が利く! 欲しい!」
自分のアイスクリームに手をつけることなく、まず一口、「レモンソルベ」を食べた夏子。
「ええ何これ美味しい! こっち注文しとけば良かったかなー」
夏子の歓声に、自分の注文したアイスクリームを夢中で食べていた千秋も顔を上げた。
「そんなに美味しいなら私も食べたい。春人、一口分けて!」
答えを待たずして、手を伸ばして「レモンソルベ」を食べた千秋。
あれ、と夏子は思った。
間違いなく千秋が使った後のスプーン。けれど千秋も春人も一切気にした様子はない。それどころか、春人も千秋のカップから勝手にアイスクリームを掬って食べている。
春人ってそういうの気にしないタイプだっけ? いや、私の時は一番最初に分けようとしてくれたし。
あれ、もしかして、2人って、そういう……?
「何笑ってるの、夏子」
「え!? いや、おいしーなって!」
「ね、美味しい」
にこにこと笑う千秋。そんな千秋を見て微笑む春人。
「決めた!」
「突然どうしたんだよ、夏子」
「ね、びっくりした」
「あのね、私明日」
にまにまする口元に気づかれないように気をつけながら、夏子は宣言する。
「私、明日らてらてーず見に行きたい!」
「え? 夏子、軽音とか好きだった?」
「や、あの、なんかちょっとかっこいいなあ……って?」
「なんでそこ疑問系なんだよ」
「えっとまあ、そういうことだから! 興味ない2人付き合わせるのも悪いし、私1人で行ってくるから、その間2人で文化祭回ってなよ!」
ちらり、と千秋と春人の間で視線が交わされた。
それを見た夏子は、1人満足する。私、いい仕事した。
「じゃあ、そうさせてもらおうかな……?」
代表して答えた千秋の返事に、夏子は最高の笑顔で答えた。
翌日。
特に興味もないけれど行くと言った手前、と訪れたらてらてーずのステージにて。
「お前ら盛り上がってるかあ!?」
ステージでマイク片手に叫ぶ彼と、夏子の視線が絡む。
昨日食べた甘酸っぱい「レモンソルベ」の味が、舌の上に蘇った気がした。
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