(今、16人いるよ)
いらっしゃいませ。ゲスト様 ログイン 新規登録
今際の際のメッセージ」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
背後から背中をナイフで刺され、床に崩れ落ちた男。

流れ出る血の量から自分の命が長くないことを悟った男は、

最後の力を振り絞って血の付いた指を伸ばし、やがて力尽きた。


翌日。

「警部、お疲れ様です! ガイシャの名前はカメオ・ラテ。35歳の会社員。

 死因は何者かに背後からこのナイフで刺されたことによる失血死と思われます。それから…。」

「なんだ?」

「ガイシャの血のついた右指のところを見ていただきたいのですが…

 いわゆるダイイング・メッセージでしょうか?」

「…"ウミール"と読めるな…。」


全てを悟ったエミリー警部は、「死体の発見があと1日遅ければよかったのになあ」と呟いた。


なぜエミリー警部はそんなことを言ったのだろう?
[牛乳太郎]

【ウミガメ】23年10月02日 19:43
解説を見る
ミステリー作家の巨匠スティーブン・クイーンによる全世界待望の新刊『そして誰もがスープになった』(通称『そしスー』)が発売された。


大ファンのカメオは、発売日に早速読みふけっているところをいきなり何者かに背後から刺された。

この出血量では…おそらく助けがくるまでは生きられないだろう。

推理小説だったらダイイング・メッセージの一つでも残すのだろうが、あいにく自分を刺した犯人が誰なのかも分からない。

「せめて…死ぬ前に…『そしスー』の犯人の名だけでも…知りたい!」

その一念で、瀕死のカメオは床に落ちた『そしスー』を文字通り必死でめくって文章を指で追い、

物語の犯人が「ウミール」であることを知ると、力尽きたのであった。


そしてここにもう一人、『そしスー』をまだ読んでいないファンがいた。そう、エミリー警部である。

犯行現場に残され、開かれた血まみれの一冊の本。

ガイシャの死体は本の一点を指さしている。

"ウミール”

これが推理小説ではよくあるけど現実にはまずないダイイング・メッセージか!?と色めきだった捜査員達だったが、

その本が新刊の『そしスー』だと気づいたエミリー警部は、

これがダイイング・メッセージではないこと、ガイシャが死の間際に『そしスー』の「犯人の名前」を知りたがったであろうこと、

そして自分が「殺人事件の被害者」から「推理小説の犯人」のネタバレを思いっきり食らったこと

その全てを悟った。


「今日帰ったら読もうと思ってたのに」

「死体の発見があと1日遅ければよかったのになあ」
物語:1票
全体評価で良質部門
トリック部門
物語部門
グルタミン>>コメントなし
納得部門