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ここ最近。
毎夜、日付が変わる頃になると、町と城を繋ぐ街道に幽霊が出るらしい。
先日その街道で死んだ女の霊だという噂だ。
町に住んでいるジャックが、怖いもの見たさで噂の場所に行ってみると、確かにそこには女が一人すすり泣いていた。ぱっと見では気づかなかったが、近づいてよくよく見てみれば驚くほどの美人だ。
「どうして泣いているんだ?」
『もう一度だけでいいから好きな人に会って、私はここにいますって伝えたいのに……それができなくて辛いの。だって私、幽霊になっちゃったんだもの。会えたとしても、きっともう私だって分かってもらえないわ……』
「そんなことないさ。よければ俺がその好きな人とやらをここまで連れてきてやるからよ」
そう慰めても『そんなことしても無駄よ』と一向に聞き入れてくれずに泣くばかりだ。
何故彼女はこんなにも頑なに、“好きな人に自分のことを分かってもらえない”と思っているのだろう?
一応検索したのですが、もしネタ被ってたらすみません。
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「無駄だなんて言うなよ。やってみなくちゃ分からないだろ?」
『いいえ、分かるわよ。あなた……最近、王子様が、舞踏会で見初めた相手を探しているって話はご存知?』
「もちろん知ってるとも。うちの娘も、その想い人の落とし物のガラスの靴とやらを穿かされたからな。だが、町中の娘を試したのに足のサイズが合う娘が見つからないから、もしかしたら他の国から遊びに来ていたお嬢さんだったんじゃないかって…………って、ちょ、ちょちょっと待て!……まさか、お前さん!」
『そうよ! あの夜ガラスの靴を落としたのは私よ! 急いで家に帰ろうと馬車を飛ばしてたら事故でこんなことに…………。やっぱり、いくら魔法とはいえ、ネズミに御者をやらせるなんて無茶だったんだわ……』
ネズミに御者?
突然飛び出してきた不可解な言葉に、ジャックは首を傾げる。確かに街道で見つかったという女の死体の近くには、ネズミの死体やら砕け散ったカボチャやら、変な物がいくつか落ちていたらしいが。
『靴を頼りに探しているということは、王子様は私の顔をはっきりとは覚えてないのよ。当然よね、一度会っただけの相手だもの。もちろん、言葉で“あの日舞踏会で踊った相手は私なんです”って訴えることはできるわよ……でも、もし嘘なんじゃないかって疑われたら? 証拠を見せろって言われたらどうしたらいいの?…………幽霊には足がないんだから、もう私ガラスの靴なんて履けないわ』
そう言って、幽霊がが泣き崩れた弾みでひらりとめくれあがったスカートの下には、
ーーーー確かに足がなかった。
◾️この問題の正式タイトル◾️
『死ンデレラ』
◾️簡易解説◾️
幽霊の名はシンデレラ。城の舞踏会から帰る途中、カボチャの馬車を飛ばしすぎて事故で死んでしまい、幽霊の自分にはもう足がなく、ガラスの靴を履いて「舞踏会で踊った相手は自分だと」証明することができないと思っている。
◾️別解解説◾️
霊体ではそもそも物体に触ることができず、ガラスの靴が履けないから。
「シンデレラ」が「幽霊になったせい」で「ガラスの靴が履けないことを嘆いている」という部分を当ててくだされば、どちらの解答でも正解とします。
トリック:4票物語:7票納得:12票良質:6票
物語部門
ぺてー>>
文章が巧みです
クルーと物語性を両立した表現のオンパレード!
ベルン>>
発想やクルーの置き方が素晴らしいと感じました!
さなめ。[ラテアート]>>
「もう一度だけでいいから好きな人に会って」という切り取り方が上手すぎます。色々なお約束を異なる角度から集約させ「好きな人に分かってもらえない」という予測が確かなものである謎を綺麗に生み出されています。細かな設定、あれもこれもそういうことか〜!なんて発見も楽しめました。
納得部門
松神[1問出題]>>
クルーの置き方が丁寧で素晴らしいです。ちゃんと考えれば考える程綺麗に繋がる状況説明と真相が気持ち良い問題でした!