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幼い頃から母に「ウミガメのスープ」を作ってもらっていたカメオ。
父が物心つく前に亡くなっているカメオにとって母の作る「ウミガメのスープ」はいわゆる「おふくろの味」であり、唯一家庭的なぬくもりを感じられる瞬間だった。
そんなカメオが一人暮らしをはじめるとすぐに母がついていた優しい嘘に気がついたのは一体何故だろうか。
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カメオの母はシングルマザーであり、仕事と家事の両立を必死にこなしていた。
それはひとえにカメオへの愛情からであったが、カメオの母にも限界がある。
それでもなんとかカメオにだけはいいものを食べさせてあげたかったが、なにせ凝ったものを作る時間がなかった。
しかし、毎日コンビニのおにぎりやスーパーの惣菜というのも味気ない。
そこでカメオの母は仕事の帰りに買ってきた冷凍の「ウミガメのスープ」をいちから出汁をとって作っているふうに装いカメオに食事として出していた。
それに悪気はなく、寂しい想いをしているカメオにただ家庭料理のぬくもりを感じてほしいという優しさであった。
カメオはこの冷凍の「ウミガメのスープ」をすっかり母親の味と認識していた。
そうしてカメオはすくすくと優しい子に成長し、就職が決まって一人暮らしをはじめた。
カメオは久しぶりに「ウミガメのスープ」を飲みたいと思ったが、なにせずっと家事を母に甘えっぱなしだったのだ。
母の作ってくれていた「ウミガメのスープ」に敵うとは到底思えなかったが、とりあえず近くのスーパーで売っていた冷凍の「ウミガメのスープ」を買って調理してみた。
そうしたところ、なんと母が昔作ってくれていた「ウミガメのスープ」とまったく味が同じであることに気がついたのだ。
そうして、母が忙しいなか家庭のぬくもりを感じさせてくれようとしていたその意図を理解し、母のついていた優しい嘘に気がついたのだった。
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