South West East Northの4枚で構成される4枚謎を作成したカメオ。上記の画像は4枚謎_完成版_最新であり、これは4枚謎_完成版と比べて一ヵ所加筆が加えられている。
4枚謎を全て解いた上で、カメオが何を書き加えたのか1文字で答えてほしい。
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4枚謎_完成版_解説
解説
この4枚謎の答えはもともと、「だいす」「きあい」「してい」「くりすます」であった。枠線が薄くなっている文字を除いて繋げると、「だいすきあいしています」と読むことができる。
この謎は、カメオが妻に愛を伝えるために作った謎解きだったのだ。
しかし、いざ妻に解かせようとした直前、カメオは急に気恥ずかしくなってしまった。こんな方法で愛を伝えるなんて、子供じみていると思われないだろうか、と。カメオは応急処置としてSouthの謎の答えのマスの数を変え、潜ませていた愛のメッセージを消した。
よって、カメオが最後に書き加えたのは、コである。
きっかけは、些細な喧嘩だった。日常の中にある、本当にどうでもいいようなことで妻と言い合いになって、怒った妻はその日一日口をきいてくれなくなった。
その翌日にはお互いにごめんと謝って、何事もなかったかのように日々は再開した。
でも、あの日から、ほんの少しだけ。妻と私の間の距離が遠くなった気がした。
私の愛が冷めた訳ではない。今でも妻のことは一番に愛している。でも、妻はもしかしたら、そうは思っていないのかもしれない。もう愛が冷めてしまったのだと妻には思われているのかもしれない。
もしそうだとしたら、私はちゃんと、妻に愛を伝えなければならない。その手段として思いついたのが、高校生の頃から趣味にしていた謎解きだった。
「だいすきあいしています」が現れる謎解きを作ったのは、そんな次第だった。
12/25クリスマス。もともとクリスマス用に買っていた小物をプレゼントしたあと、「そういえば、もうひとつプレゼントがあるんだ」と準備していた4枚謎について妻に話した。
「最近忙しそうにしてると思ったら、そんなもの作ってたなんて。好きな物に一途なところ、昔から変わんないね」
そう笑う妻の姿は、私が妻に初めて出会ったあの頃と何も変わっていなかった。その姿を見て私は、変わらない日常に不安を感じてしまった自分を恥じた。確かにそこにあった幸せを、つまらない妄想で見失ってしまっていたことを恥じた。
そして何より冷静になって考えてみると、謎解きで愛を伝えるなんていう子供でも思いつかないような作戦を、大の大人が本気になって実行しているというこの状況が、呆れるほど恥ずかしく思えてきた。
「ちょっと今から謎を印刷してくるよ」
私はそう言って書斎に走り、「だいす」が答えになる謎が「さいころ」が答えに変わるように、一箇所修正を加えてから謎を印刷して妻に渡した。
妻は私が想定していたより遥かに早いスピードで4枚の謎を解き終わり、「答えはクリスマスでしょ」と笑って私に伝えた。
なぜだか恥ずかしそうに笑う妻が可愛くて、愛してるの言葉はちゃんと言葉にして言おう。そう決めた。
しかしその愛の言葉が私の口から出る前に、私は思わぬ不意打ちを受けた。
「私も愛してるよ」
「えっ?」
驚く私に、妻はSouthの答えの4マス目にバツを書いて潰し、答えを「だいす」にして埋めた紙を私に見せた。
そういえば、昔から妻は私よりもずっと謎解きが得意だった。
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あとがき
私にとっての2023年は、謎解きの年でした。
ウミガメのスープを布教するために謎解きサークルに入ったのがきっかけで、月に6回くらい謎解き公演に行ったり、いくつか謎解き制作に関わらせてもらったり、気づけば謎解きまみれの日々です。
ウミガメのスープと謎解き、その両方に魅せられた人間として、両者の魅力を最大限に表現できる問題を作ってみたい。そう思って作ったのがこの問題です。皆さんの口には合ったでしょうか。
これを機に、謎解きの楽しさに気づいていただけたら幸いです。
それでは皆さん、メリークリスマス
トリック:6票物語:6票納得:1票良質:18票
全体評価で良質部門
ベルン>>
4枚の謎だけでも十分素晴らしいのにさらなる意味を込めてかつそれを扉形式で出すという恐ろしさ。 お金を払って楽しめるレベルの謎解き+でした。
トリック部門
霜ばしら>>
Southの謎が特に好きです。よくできてるなあとわくわくしながら解読しました。
ぺてー>>
すごい
すごい(2回目)
少なくとも僕には一生作れないタイプの問題です
物語部門
霜ばしら>>
加筆したことを残念に思いつつも、その理由に確かにそうだなと共感したところでこの結末に行き着き、自分なりに想像していたものより遥かに素敵なストーリー展開で読み応えがありました。また、自分の想像力では及ばなかったであろうストーリー部分の解明はメインではなく、答えを導き出す過程で物語性をほんのりと感じられる構成になっているところも好みでした。