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ピアノのコンクールで素晴らしい演奏を披露し、念願の最優秀賞に選ばれた美咲。彼女を讃える拍手が会場に響く中、一際大きな拍手を送る親友の洋子の姿を見て美咲は涙した。
一体なぜ?
[論理茄子]

【ウミガメ】【闇スープ】24年01月23日 01:40

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放課後になると音楽室から聴こえてくる美しいピアノの音色。
それは、間近に迫るコンクールに向けて課題曲を練習する洋子が奏でていたものだった。
彼女は幼き頃からピアノを続け、天才と謳われた少女。
そんな洋子と同じくピアノの才に秀でていた美咲だが、コンクールではこれまでに一度も洋子より優れた成績を残すことはできなかった。
2人はピアノでの繋がりをきっかけに仲良くなり、良き理解者として互いに信頼のおける親友同士だった。
しかし、一度だけでもあの舞台で一番に輝きたいと願っていた美咲は、音楽室から聞こえてくる洋子の完璧な演奏を聴いて思ってしまった。


「洋子さえいなければ」と。


コンクールの前日。手に包帯を巻いて登校してきた洋子の姿を見て、美咲は自身の企みが成功したと思った。音楽室のピアノの蓋に施した細工により、演奏中に蓋が落ちて指を挟まれたのだろう。
あの指ではまともに弾くことはできない。
美代の思惑通り、洋子は怪我によりコンクールへの出場を断念した。

そして、コンクール当日。

美咲を讃える拍手に会場が包まれる中、一際大きな拍手を送る洋子の姿を見て美咲は目を疑った。

洋子の手からは前日に付けていた包帯は外れていて、手を痛めていたにも関わらず躊躇なく手を叩いて美咲に拍手を送っている。手の怪我が理由で出場をとり止めたはずではなかったのか?


洋子は本当に手を怪我していたのだろうか。


もし、洋子は本当は怪我などしていなくて、怪我を装っていただけなのだとしたら…
美咲の頭をある一つの仮説がよぎる。

洋子は、美咲が音楽室のピアノに細工を施すところをを目撃し、美咲がコンクール出場の邪魔をしようとしていることを悟った。

その美咲の思惑に気付いた上で、親友のために自ら舞台を降りることを決めた洋子は、美咲の望んだ通り手を怪我したことにして出場を取り止めた…

その真実に気付いた時、美咲は自分の愚行は心から恥じ、後悔した。

酷いことをしたというのに、目を潤ませながら曇りない笑顔で祝福の拍手を送る洋子の姿を見て、美咲は涙せずにはいられなかった。

美咲はもう2度と友情を裏切るような真似はしまいと心に誓い、客席のただ一人に向けて深々と頭を下げるのだった。
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