満月の光を浴びると狼に変身してしまう特異体質を持つ人間、通称「狼人間」。
そんな狼人間が人口の数%を占める国「ルベール」では
狼人間の人権を守るために、ルベールに住む狼人間一人一人に透明なビニール傘が配られることになった。
一体なぜ?
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〖簡易解説〗
他の「人間」を捕食する危険な種族である狼人間の人権を保証する条件として、雨天時でも顔が隠れないように『狼人間は透明な傘以外を使用してはならない』という法律が制定されたから。
〖長めの解説〗
現代では珍しく、古のモンスターが未だに多く生息している国ルベール。
その中でも人型のモンスターは、ほとんどの種族が「人間」に分類されており人権を有している。
しかし、「人間」にとって危険な種族は動物と同等の「モンスター」に分類されている。
人間(特にホモサピエンス種)を好んで捕食する狼人間も、そんな「モンスター」の一種だ。
これまで「人間」と「モンスター」は、ルベール内においてきっちり住み分けが成されていた。
ところが近年、世界的に過激な人権活動ブームが巻き起こるとその環境が一変してしまう。
ブームに焚き付けられて自分達の人権を主張し始めた狼人間に、彼らを擁護する無責任な人権活動家、更には『全ての人型モンスターに人権を!』と騒ぐ諸外国。
とうとう多方面からの圧に負けたルベール政府が『狼人間の人権を保証し、彼らに市民権を与える』と異例の決断を下したものだからさあ大変。
しぶしぶ狼人間を居住区に受け入れた「人間」達だが、ある小雨が降る満月の夜に傘で顔を隠した狼人間にホモサピエンス種がパクリといかれる事件が起こってしまう。
そこでルベール政府が打ち出した苦肉の策が、雨天時でも傘で顔が隠れないように考えられた『狼人間は透明な傘以外を使用してはならない』という法律であった。
そして政府からのせめてもの配慮として、狼人間に一人一本ずつ透明なビニール傘が配られる事になったのだ。
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