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「何かしたいことはある?」
「無いね、思いつかない」
「じゃあ、今夜、星を見に行こう」
「わかった、夕方集合でいい?」
夜空を見上げて絶望した僕は、しかしすぐに幸福だと思った。
なぜ?
[ZenigokE]

【ウミガメ】18年11月16日 19:54

明日世界が終わるなら

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「流れ星だ」

去年のことだ。正確にはわからないけれど、おそらくちょうど、一年ほど前。
対応の遅れた一つの隕石により、地球はおかしくなった。

「落ちてくるね」
「そうだね」

気候が劇的に変わったり、一日が24時間でなくなったり、たくさんの隕石が頻繁に地球に落ちてくるようになった。地表の都市は軒並み壊滅状態となり、地下深くに逃れたごくわずかな富裕層を除き、人類はほぼ死滅したようだ。

「死ぬのかな」
「だろうね」

地表に残った人間は、次々と落ちてくる隕石やわけのわからない病気に怯えながら食べ物を探している。見つけたものも、食べたら死ぬかもしれない。それでも、食べなければ死ぬだろう。
まともに飲める水もない環境で、ひたすら運のよさだけでここまで生きてきた。生きるために争う人々もいたが、それももうずいぶんと見ていない。

「でもよかった」

ここ数ヶ月で見た僕以外の人間は、こいつだけだった。

「最期に誰かと星を見に行くなんて、素敵な思い出になる」
「そうかもね」
「真上に落ちてくるなら、病気みたいに苦しむこともないし」
「……一番いい、死に方かもしれない」
「そうだね、長く生きすぎた気もしたけど、今日まで生きていてよかった」

こんな世界で誰かと一緒に、こんなにも穏やかに一生を終えるなら。
それはもしかすると、とてもしあわせなことなのかもしれない。
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