ランバージャック・ラプソディ

ある日のこと。木こりのカメオが鉄の斧を泉に落としてしまうと、泉の女神が現れた。

女神「あなたが落としたのは金の斧？　銀の斧？　それともこの鉄の斧？」

カメオ「私が落としたのはその鉄の斧です」

女神「あなたは正直者ですね。褒美に金の斧と銀の斧もあげましょう」

カメオに金の斧、銀の斧、鉄の斧を渡すと、女神は泉の中に消え去った。



カメオの話を聞いた木こりのウミオ。ウミオも鉄の斧を泉に落とすと、泉の女神が現れた。

女神「あなたが落としたのは金の斧？　銀の斧？　それともこの鉄の斧？」

ウミオ「私が落としたのはその金の斧です！」

女神「あなたは嘘つきですね。罰として鉄の斧は没収です」

女神は泉の中に消え去った。



カメオとウミオの話を聞いた木こり見習いの若者ツルオ。ツルオも鉄の斧を泉に落とすと、泉の女神が現れた。

女神「あなたが落としたのは金の斧？　銀の斧？　それともこの鉄の斧？」

ツルオ「ボクが落としたのはその鉄の斧です！」

女神「あなたは嘘つきですね。これは『ウミオの鉄の斧』ですよ」

一人前の木こりならば、大事な仕事道具である自分の斧と他人の斧を見間違えることなど無かっただろう。
残念ながら木こり見習いのツルオには、斧の区別が付かなかった。

人間風情の悪知恵など女神は全てお見通し。ウミオから没収した斧で鎌掛けた。

女神「罰として鉄の斧は没収です」

女神は泉の中に消え去った。



ツルオ「うーん。　一本取られた」

おあとがよろしいようで。