みんなのブックマーク

よみがえり「4ブックマーク」
「もしかしたら、人間は生き返ることができるのかもしれない」
男がそう思ったのは何故?
19年11月08日 19:38
【ウミガメのスープ】 [アルバート]



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男は死んだ。

生前、男は死後の世界などまるで信じていなかった。死んだらそれきり、意識も何もなくなると思っていたのだ。しかしいざ死んでみるとどうだろう。

何故か意識はあり、体もあり、気がつくとどこか知らない世界にいて、いきなり舟で川を渡らされ、巨大な鬼か何かの前に引き出され、そいつから尋問を受けて……

まるで生前伝え聞いていた死後の世界そのままではないか。
もしかすると、この世界の様子を現世に伝えた人間がいるのではないか。ここが死後の世界だとすると、その人間は一度死んでいるはず。
ということは、もしかしたら……
とりにく~!「4ブックマーク」
冷蔵庫を開けて熱々の唐揚げを探す男。
冷蔵庫の中に熱々の唐揚げが入っているわけがないというのに、一体なぜこんなことをしている?
19年11月08日 18:26
【ウミガメのスープ】 [甘木]



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男は夜中、出来立ての唐揚げを盛ったお皿を手に自分の部屋へ向かおうとしたが、うっかり唐揚げの一つを床に落としてしまった。
唐揚げは転がっていき、すでに灯りを消した台所の方へ。拾ってゴミ箱へ捨てようにも、真っ暗で落ちた唐揚げが見つからない。
男は台所の灯りをつけようと思ったが、近くに冷蔵庫があったために一度冷蔵庫を開けた。
これによって冷蔵庫から漏れた光で床が照らされたため、落ちた唐揚げをすぐに見つけることができたのだった。
めしくんのめし「4ブックマーク」
藤井くんは仲のよい同僚のめしくんといつもお昼を食べているのだが、彼はだいたい毎日オムライスを食べる。
藤井くんが「毎日オムライスで飽きないのか」と聞くと、もうとっくに飽きているのだという。

藤井くんは時々めしくんが残したオムライスを食べるのだが
そのオムライスがおいしければおいしいほど、少し寂しい気持ちになる。

どうしてだろう?
19年11月11日 00:20
【ウミガメのスープ】 [藤井]

友情出演:めしくん




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【解答】
独立して店を立ち上げようとしているめしくんが、職場からいなくなってしまうことを考えるため



【解説】

「ライブカフェをやろうと思って」

めしくんが何気なくそう溢したのは、仕事終わりに二人で飲みに行った日の夜だった。

「ライブカフェ?」
「そう。学生の頃からの夢だったから」
「え??じゃあ今の仕事は?」
「いずれ辞める。今は資金貯めの期間」

僕はよく知らなかったが彼は水面下で色々と動いていたみたいで、休日にはいろんなカフェの視察もしているらしかった。

「ごはん食べながら音楽が聴けるちっちゃいカフェみたいなやつ、やりたい」
「ええ。めしくんシェフになるの」
「なる。メインはオムライスにしようかなと思ってる」
「ほえー」

それから年月を重ねるうちに、めしくんの計画はかなり現実味を帯びてきた。
そしてある頃から、彼のお弁当は毎日オムライスになったのだ。

「めっちゃ練習してるんだけど、作って捨てるのもったいないし、せめてお弁当にと思って」

毎食オムライスだ、とげんなりするめしくん。僕も時々練習を兼ねて作ってもらったり、めしくんが食べきれず残したオムライスをもらったりした。
彼の作るバターライスのオムライスはおいしかった。
最初の頃は卵が破れたりごはんがバラけたりとムラがあったが、それも月日を経て、毎日同じ形、同じ味のおいしいオムライスになっていった。

「どう?」
「めちゃくちゃうまい」
「わーい」

やがて彼は仕事の引き継ぎを始めた。


おいしいオムライス。
めしくんの頑張りを応援する気持ちの傍らで、仲のよい同僚がもうすぐこの職場を去ってしまうことを思うと、どうしても寂しさが勝ってしまうのだった。

ヘッドホンを耳に当てると、男はふと学生時代を懐かしんだ。

そして、昔に読んでいた本の1ページだけを破り取った。


どういうことだろう?


※第16回正解を創りだすウミガメの、とろたく(記憶喪失)さんの問題文です。https://late-late.jp/mondai/show/8117

私の投稿した正解をご存知の方は、宜しければご観戦下さい。
19年11月12日 21:06
【ウミガメのスープ】 [さなめ。]

もちろんSpecial Thanksのとろたくさんに、感謝を込めて。ご参加ありがとうございました!




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男がヘッドフォン越しに聴いていたのは、学生時代に所属していた演劇部の作品の録画。

というのも、明日は演劇部の皆で飲み会を開くのだ。
久しぶりに押し入れから資料を漁ってきて、明日の話の種にでもしよう。そう思いながら懐かしさに浸っていた。

今、視聴している作品は男の中でも特にお気に入りだった。
男が初めて台本を考えたもので、なんとそれが大会で優秀賞を受賞した。

録画ビデオテープと一緒に、優秀賞の判子付きの表彰状も見つかり、部長や同輩後輩と手を取り合って喜んだことを思い出したのである。

暫くして脚本も見つかったのだが、ここで男はあることを思いついた。

実は男が初めて書いた脚本は、推理小説のような演劇。
それも、演出を意識したもので、解決パートの部分はかなり狭いスペースに収まっている。

確認してみると、ほんの1ページ。

明日の飲み会で、皆を試してみようかな…。

男は脚本の解決パートを破り、脚本だけをリュックにしまう。

つまり、男は明日、部員仲間にクイズを出すのだ。解決部分だけ破れてた、等と嘘をつき、その推理小説脚本を皆に見せる。
果たして皆は、10年以上も前の記憶を頼りに、闇に包まれた真相を解き明かすことが出来るのか…。

おわり。

簡易解説
学生時代に演劇部に所属していた男。
今度の、演劇部員で集まる飲み会の話の種を探していたところ、自身が書いた推理小説型の演劇脚本を、録画テープと共に見つけた。

懐かしさを感じた男は、一ページに収まっている解決パートを破って持っていくことで、部員達はまだ脚本の顛末を覚えているか、試そうとした。
歌と子供「4ブックマーク」
カメコは歌が上手い。
しかしあるときカメコは、自分の娘に「ママ、おうたがへたー」と言われてしまった。

何故でしょうか?
19年11月19日 22:06
【ウミガメのスープ】 [フィンディル]



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カメコが子供の頃、音痴の親から聞かされていた子守唄が、大人になっても耳に残ってしまっていたから。

―――――――――――――――――――

カメコは可愛い一人娘を、夫と二人で協力して育てていました。
いつも娘を寝かしつけるのは夫の役割ですが、今日は別のことで夫の手が離せないようです。
そのためカメコが寝かしつけることにしました。

「ママー、おうたをうたって」
「おうたって?」
「えっとねー、こもりうた。パパがいつも歌ってくれるの」
「へー、そうなんだ」

夫が寝かしつけるとき、カメコは別の部屋で作業をしているため、そのことは知りませんでした。

「子守唄って、ねんねーん、で始まるおうた?」
「そうそれ!」
「ふふ。わかった。じゃあ歌うね」
「うん」
「ねんねーん♪ ころーりーよー♪」
「ママ、おうたがへたー」
「えっ?」

このときカメコは、自分の子供の頃を思い出しました。
子供の頃、カメコを寝かしつけるのは父親の役目でした。そして父親はいつも子守唄を歌ってくれました。
父親の子守唄はカメコにとって心地よく、毎晩幸せな気持ちで眠りにつくことができました。

しかしカメコがある程度大きくなってから知るのですが、父親は酷い音痴だったのです。
当然、父親が歌う子守唄も酷い音痴。ですが幼いカメコにはその音程のズレが心地よかったのかもしれません。
そしてこのズレた子守唄が、無意識の内にカメコの耳に強く残っていたのでしょう。
例えるなら、学生時代の合唱コンクールでアルトパートを担当した歌を、大人になってもアルトパートで歌ってしまう感覚でしょうか。
滅多に歌う機会のない江戸子守唄。カメコは今の今までこの事実に気付いていませんでした。

カメコは歌が上手です。それはカメコの母親からの遺伝だろうと言われていました。カメコの母親も歌が上手だからです。
カメコの父親はあるときこう言いました。
「俺の音痴を全く受け継がなくてよかったな」と。

カメコは笑ってしまいました。
子守唄だけは、お父さんの音痴を受け継いでしまったね。

「ママー?」

娘がカメコの顔を覗いています。
娘は夫の歌う、音程のきちんとした子守唄に親しんでいます。

「ごめんごめん。じゃあご本を読んであげる」
「やったー!」

カメコが父親から受け継いだ音痴の子守唄は、娘に継がれることはないでしょう。
それがどうしたと思うと同時に、カメコの胸裏に少しだけ寂しさが通り過ぎました。