みんなのGood

「12Good」
トリック:7票物語:2票納得感:3票
ある男は「{この戦争が終わったら、結婚するんだ}」と言い続けていたせいで、終戦の直前に殺された。なぜか?
25年10月14日 21:20
【ウミガメのスープ】 [アカシアン]

白あげる。




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▽解説
「{あの家から、あの男から解放されたかったの}」

父殺しの罪で縄についた福川絹子が重い口を開いたのは、逮捕から一日後の正午頃だった。警察署のラジオからは微かに音が漏れている。

絹子は二百有余年続く旧家、福川家の長女として生まれた。父の富良が厳しいことを除けば、兄や弟との仲は良く、母にも愛されて暮らしていた。二歳上に想い人もいて、「{戦争が終わったら結婚をしよう}」と密かに誓い合っていたそうだ。

ところが、この戦争で事情が変わった。兄は戦地で落命し、母と弟は機銃掃射の餌食となった。
海軍に徴兵された想い人もまた、大海原の藻屑と消えた。

すると、これまで良くも悪くも女の絹子に無頓着であった父が突如として態度を変えた。
「絹子。福川の家を残すには、分かっているだろう。
【この戦争が終わったら、結婚するんだ。】
婿は目星をつけている。これは父様の命令だ」

絹子はとっさにこの言いつけを拒んだ。
家を継ぐはずだった男兄弟が亡くなったばかりで気持ちも整理できておらず、何より想い人のことが頭から離れていなかった。「嫌です」と言い放った瞬間、父の右手が絹子の頬を捉えた。

【「お前は父様の言いつけが聞けんのか。結婚するんだ。結婚するんだ」】
「福川」に取り憑かれた魔物と化した富良は絹子を組み伏せ、「一家の長の命令だ。戦争が終わったら、結婚するんだ」と何度も頬を張った。それでも絹子は首を縦に振らなかった。

その日から富良は絹子を軟禁し、「結婚するんだ」と毎日のように繰り返した。それを拒むたび富良の拳が飛び、絹子は古畳の上を転がった。

そして昨日、その時が訪れた。富良はまもなく戦争が終わるとの情報を得たらしく、笑みを浮かべて絹子に近づき、細い肩を抱いた。
「じきに戦争が終わるそうだ。{終戦となれば若い男も引き上げる}。南方に出征した麻田の三男坊が帰ってくるだろう。すでに麻田の親父と話はまとめた。この戦争が終わったら、結婚するんだ」

富良が高笑いして背を向けた時、絹子は父に、家に。{反旗を翻した}。広い背中に裁ちばさみを突き立て、刺して、刺して、刺した。
留守番をしていた隣の使用人が野犬のようなうめき声を耳にして福川家に駆けつけると、古畳に浮いた血だまりに男の亡骸が一つ。傍で憑き物が落ちたように座り込む女が一人。

八月十四日の夕方、油蝉が鳴いていた。

▽解説の解説
男は結婚を拒む娘に「{結婚するんだ}」と無理強いしてきた。
戦争が終わりに近づき、若い男が帰還するめどが立った頃、結婚が現実味を帯びて精神的に追い詰められた娘に男は殺された。

補足:日本語の「動詞+んだ(のだ)」は、{命令の意}を表すことがある。
例:「今日のところはもう帰るんだ」「バカな真似はやめるんだ」「立て、立つんだ」
刑事たちの夏「11Good」
良質:3票トリック:6票納得感:2票
容疑者・八咫烏亀夫の自供が取れぬまま、取り調べ室は勾留期間の最終日を迎えた。
担当刑事・曼珠沙華海子の顔にも焦りの色が見える…
「…そろそろ楽になりましょうよ。八咫烏さん。ね。…もう一度聞くわ。あなたがやったんでしょ?」
すると亀夫はニヤリと笑い、
「…ああ、そうだよ、刑事さん。俺がやったんだ」
曼珠沙華刑事はフウッと息を吐いた。
とうとう落ちた。
捜査員全員の苦労がこれでやっと報われる…
と安堵したのも束の間、このあと曼珠沙華は亀夫の胸ぐらを掴み「警察ナメんじゃねえぞ!てめぇ!」と怒鳴ることになるのである。

いったい何があったのか?
22年06月16日 22:27
【ウミガメのスープ】 [きまぐれ夫人]

吐け!吐くんだじょ〜




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八咫烏亀夫は続けて言ったのだ。
「俺、苗字が八咫烏だろ?だから友達がみんな『ヤッたん』てあだ名で呼ぶん…だ、ぼ、暴力反対、お巡りさ〜ん…お、俺がやりまし、た…ぐえっ」
SCARLET ROT「11Good」
トリック:4票物語:4票納得感:3票
甘い香りを放つ「ラテハーブ」と呼ばれる赤い草は、
今やウミガメ国の一般家庭で見られる、メジャーなハーブの一種である。

そんなラテハーブブームの真っ只中、
カメコはカメオの元を訪れていた。

久しぶりに再会したカメオは、かなり痩せており、
ひと目で病気であることがわかるほどに顔色も悪い。

カメコは彼を元気づけようと「ラテハーブ」の包みを持ってきた。

彼女の記憶が確かなら、
彼は自分と同じく、このハーブが大好きなはずだ。

「…ああ、それはラテハーブ…。」

彼は鼻先に差し出された包みに顔を近づけると、眉をひそめて言葉を続けた。

「いつ嗅いでも嫌な香りだ…果実が腐ったような甘い香り…。
 そうだよ…。俺は昔からずっとラテハーブの香りが大嫌いだったんだ。」

・・・

さて、カメコが『カメオはラテハーブが大好きだ』
と誤解していたのは、一体なぜ?
22年06月29日 22:00
【ウミガメのスープ】 [るょ]



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ウミガメ国では麻薬密売の横行により、
今や一般家庭にまで、麻薬というものが浸透しつつある。

元刑事・カメオといえば、
かつて麻薬を憎み、取り締まりに心血を注いでいた熱血刑事である。

彼が今や、麻薬中毒者に成り果てている…。
真偽を確かめるべく、我々は抜き打ちで彼の家宅捜索に向かう。

捜査にあたったのは、彼の意志を継ぐ後輩の私と、
彼の元相棒・カメコ。

「元相棒を逮捕させるのは心苦しいが、
 お前より優秀な麻薬探知犬がいないんだ。」

・・・

当日。

数人の警察官でカメオ宅を訪れ、彼を抑えている間に、
カメコに麻薬の匂いを探知させる。

その甘い香りを頼りに、
彼の荷物からあっさりと麻薬の包みを見つけ出した彼女は、
私が制止するより早く、急いで包みを彼の元へ咥えて走っていった。

…嬉しそうに、尻尾をブンブンと振り回しながら。

麻薬を見つけてカメオに報告すれば、
彼も嬉しそうに笑い、自分を褒めてくれる。

彼女にとっては、その程度の認識だったのだろう。

・・・

大粒の涙を流しながら、カメオは言った。

「いつ嗅いでも嫌な香りだ…果実が腐ったような甘い香り…。
 そうだよ…。俺は昔からずっとラテハーブの香りが大嫌いだったんだ。」

…それなのに、いつから道を間違えたんだろうな。
そう独白しながら、カメコの頭を撫でるカメオ。


事情を知っている周りの警察官は、
何も言えず、黙ってその光景を見守っていた。



【答え:】
かつて、麻薬探知犬であるカメコのパートナーだったカメオ。

ラテハーブを見つけるといつも彼に褒めてもらえる。
そして、彼もいつも嬉しそうに笑ってくれる。
きっと彼も、自分と同じでラテハーブの香りが好きなのだろう。
彼女はそう思っていたのだった。
(問題文の詳細な状況は長い解説参照)
いたづらないたずら「11Good」
良質:3票物語:8票
「20歳の誕生日おめでとう!!」
そういって娘の誕生日をお祝いする母親を見ながら、15歳の娘はそっと涙を流した。
一体どういう状況だろうか?

{※この問題には二つの解答が存在しますので、両方の解答を当てて下さい。}
それぞれを「Yes/Yes良質」や「Yes 良質!/No関係ありません」などとスラッシュ(/)で分けて解答します。
22年09月18日 21:43
【ウミガメのスープ】 [ベルン]

母親はボケていません




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【簡易解説】
解1 
余命数ヶ月の母親が、こっそりと20歳の誕生日をお祝いするビデオレターを作った。
その様子を見てしまった娘は、母親の死後が近いことを悟ってそっと涙を流した

解2
幼い頃に母親を亡くした娘。
娘は毎年誕生日の時に、母親が生前とっていたビデオレターを流していた。
しかし病気により15歳の娘も余命あとわずかとなってしまった。
もう残された時間は少ないと感じた娘は、母親のビデオレターの残りを見ることにした。


【物語風解説】

ケイコは、夫と、一人娘のショウコと幸せに暮らしていた。

しかしショウコが中学二年生になった頃、ケイコは最近身体が異常にだるいため病院に行ってみると、不治の病にかかっており、余命1年と診断された。
あまりにも突然の余命宣告に実感が湧かないまま帰宅したケイコ。
夫に相談したところ驚き、なぐさめられ、ショウコにはとりあえず余命1年ということは言わないと決めた。
しかし、日に日に自分がもうすぐ死んでしまうということがいかに怖く実感を伴ってくるようになり、ケイコはみるみるうちに元気がなくなり、娘にも心配され始めた。
「お母さん、大丈夫? 病院どうだったの?」
「…うん、大丈夫だよ、 ちょっとお仕事とか頑張りすぎたみたい。でもすぐに良くなるから」
「それ大丈夫じゃないじゃん。 ちゃんと休んで元気になってね」
「うん…」
そういって娘が愛おしくなり、溢れ出る涙を見られないように、ケイコはショウコをぎゅっと抱きしめた。
「やめてよ~ 小学生じゃないんだから!」
「…いいじゃん、たまには」

そんな日々の中、どうも母親が最近元気がなくて涙もろくなっていることをショウコは薄々気付き始めていた。

そして半年が経つ。
自分の死を受け入れ始めてきたケイコは、娘に向けてビデオレターを作ることに。
毎年娘の誕生日が来たらこのメッセージを流してもらうよう、夫に頼んでおいた。
「ショウコちゃん、16歳の誕生日おめでとう! 早いものでもう高校生ですね。


何度も泣きそうになってしまい、何度も撮り直した。
お祝いなんだから、ずっと笑顔のままでいようとしても、どうしても感極まってしまう。
10回ほど撮り直し、やっと16歳の誕生日を祝うことが出来た。

そんな調子である日の深夜、ショウコが寝た後、ケイコは20歳のビデオレターを作製した。
「ショウコちゃん、20歳の誕生日おめでとう! 
成人となったショウコちゃんはきっと綺麗で優しくて、とてもよい子のままでいるとお母さんは確信しています。 
今は大学生ですか?それとももう就職してますか?それとも…
…」
このとき、ショウコはトイレに起きていた。
そこで母親の部屋から声が聞こえるので少し覗いてみたところ、20歳の私を祝うビデオレターを撮っている姿を目撃してしまった。

お母さん…

お母さんがもうすぐ死んでしまうのだと娘の目から涙が流れおちた。
そしてそっと扉を閉め、トイレに行くのも忘れ布団に潜り、一晩中泣き続けた。










…時は流れ、ショウコは大人になり、結婚して娘をもうけた。
どんなことがあっても未来に向かって生きていて欲しい、そう願いを込めて娘にミライと名付けた。
そんな名前の通り、ミライはすくすくと元気に育っていった。

しかしミライが4歳の頃、ショウコもケイコと同じ病気にかかってしまった。遺伝的な要素も強く、いまだに治療法は確立されていない病気で同じく余命1年、とのこと。
母親とほぼ同じ状況に悲しむショウコだが、いつまでもくよくよしてはいられないと、よりいっそう娘や夫といった家族との時間を大切にした。
幸いと言っていいのかは分からないが、ミライもまだ4歳、母親がもうすぐ死んでしまうとは一切思っていない様子で、それはショウコをひどく安心させた。

そして、体が完全に動かなくなる前にと、自らも母親がしてくれた誕生日のビデオレターを作製することに。
「ミライちゃん、6歳の誕生日おめでとう! …」
やはりどうしても泣きそうになってしまう。
普段は元気でいられるふりをできているのに。
それでも笑顔を忘れないように、ミライに向けて何度も撮り直し、20歳までのビデオレターを作り終えた。

そしてショウコは32歳の生涯の幕を閉じた。
ただ、5歳のミライにとってはまだあまり実感が湧かない。
テンゴクという二度と会えないところに行ってしまったらしい。
「おかーさんはどこいっちゃったの?」
「お母さんは、遠くのところへいっちゃったの。だから、きっといつか会えるよ」
「え!そうなの?いつ?」
「…いつかはわからないけど、きっといつか。未来だよ。」
「…ミライ?」
「うん、ミライ。」
「そっか、ミライか。」
5歳にして父親が嘘をついており、自分を安心させるためだと心のどこかで分かっていたのか、ミライはそれ以上は何も聞くことはしなかった。

そうして母親がいなくなった悲しみを乗り越え、元気に大きくなっていったミライ。
ショウコの遺伝子を継いだのか、とても優しくて美人に育っていった。

が、ミライが中学二年生になった頃。
ミライも母親のショウコ、そして祖母のケイコと同じ病気にかかってしまった。
医師から告げられた余命1年という言葉を受け、中学校にも行かずずっと部屋にこもって泣いた。
そして三日三晩泣き続けたあと、部屋から出てきたミライはこう父親に告げた。
「私、残りの1年、精一杯楽しんで生きるから。」
反抗期まっただ中の娘からそのような言葉をかけられ、驚く父親。
「…あ、あぁ。」
「だから、この1年は色々なやりたいことをさしてね」
「もちろん! お前の好きなように楽しんでやれよ。 お前の人生はお前のものだ。」
「言われなくても分かってます~」
すっかり元気になったように見える娘が、いやに大人びて見えて、枯れたと思っていた涙が再び溢れそうになった。
「…じゃあとりあえず明日はお父さん仕事休むし、行きたがってた海にでも行くか!」
「うん、たまにはドライブもいいね。」

そうして1年近くが経ち、精一杯楽しみ尽くして迎えた15歳の誕生日。
病室のベッドで毎年恒例、母親のビデオレターを見ているミライ。
『ミライちゃん、15歳の誕生日おめでとう!
ついに中学三年生ですね。
高校はどこに行くか決まったかな?
受験勉強してるかな…?
いや、きっとミライちゃんのことだから誰にも言われなくとも勉強頑張っていると思います、だから受験勉強もほどほどに残りの中学生活を楽しむんだ!
ふふふ、そんなこと言われなくても楽しんでいるでしょう。
中学ではどんなことがあったのかな、お母さんいつもミライちゃんのこと見てるけど、それでも教えてくれると嬉しいな。
これから悲しいこと、辛いこともあるかもしれないけど、ミライちゃんならきっと上手く乗り越えていけると信じています。
どうぞ、これからもお元気で、また来年会いましょう。
改めて15歳のお誕生日おめでとう!』

残りの中学生活どころか人生が終わりそうになっているのに、何て母親は暢気なことをいっているんだろう。
高校なんて行けるはずがない。
ましてや受験勉強なんてしていないよ。

でも、こんな母親の動画が心に深く刺さる。
今までは毎年聴けると思っていた母親のビデオレター、今年で最後になってしまう。

…だから、ミライは父に頼んだ。
「もうすぐ私も死んじゃうから、残りのビデオレター、毎日一つずつ見せて」
「…でも…」
「ううん、もう覚悟は出来てるって言ったじゃない。あと長くて数週間で私の命は終わるの」
「そんな終わる終わるって言わない!」
「…ごめん、でもやっぱりお母さんの姿を少しでも見ておきたいの。」
「…分かった。明日から一緒に見ような。」
「ありがとう」



五日後。
毎日恒例となってきたお母さんのビデオレター鑑賞。
あれからますます元気がなくなり、体もほとんど動かなくなってしまった。
それでも、ビデオレターの時間になると目を輝かせ、ぎこちなく笑顔を見せている。
「じゃあ、いくよ。 これでお父さんが持っている最後のビデオレターだよ。」
「…うん、」

『ミライちゃん、20歳の誕生日おめでとう!
遂に成人!
早いね~~
きっととっても優しい美人さんになっているでしょう。
今頃は大学生かな?
それとももう働いているかな?
ミライちゃんが輝かしい生活を送っていると信じていますし、天国からお母さんも見ています。

二十歳ということで、これでビデオレターは最後です。
なので、ちょっとだけ昔話をさせてね。

小さかった頃のミライちゃんはとてもよい子で物分かりがよくて、人の気持ちをよく分かって行動できていたの。
これは大人になったミライちゃんにも言えることだけど、本当に優しい子なのだな、と感じています。
だから、ミライちゃんなら大丈夫だろうけど、これからもずっとその優しさを忘れずに生きて欲しいです。

さて、これから色々なことがあると思うけど、いつのまにかミライちゃんは立派な大人です。
ミライ、という名前の通り、精一杯、これからの未来を、人生を楽しんで下さい。

そしてミライちゃんが人生を終えて、いつかお母さんのところに来たときにはいっっぱいミライちゃんのお話を聞かせて欲しいな。楽しかったこと、嬉しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、なんでもいいです。
…恋の話なんかも聞きたいな。

ミライちゃんを産むことが出来て、ここまで大きく育ってくれて、お母さんは本当に幸せです。

本当にありがとう。』
ママ=ハハ「11Good」
良質:3票トリック:1票納得感:7票
几帳面なカメオは、毎回の昼休憩の時間に、必ずウミコからのメッセージを見る。
しかし、カメオの母がそれを手にしたが最後、ウミコからのメッセージは誰にも読まれることなくゴミ箱行きとなる。

ウミコのメッセージの内容を明らかにせよ。
22年12月18日 00:23
【ウミガメのスープ】 [こはいち]



解説を見る
【A.ウミコ<たたんでくれてありがとう❤】