みんなのGood

傷心を濡らす泪酒「14Good」
良質:6票トリック:1票物語:6票納得感:1票
2022年4月

春に似つかわしくない雨が桜を濡らしている。

男は傘もささずにその女を見つめていた。

恐ろしいほどに美しい女。
突如現れたそれは男と同様傘を持たずしとどに濡れながら立っている。

女は唖(おし)であった。

言葉は交わせずとも男は女と恋に落ちた。

しかし蜜月は長くは続かない。

女は故郷に帰らなければならぬと言う。

男は女の意思を尊重し別れを決意した。

そして女を見送った後。

男は毎日海水を一杯飲むようになった。

一体なぜ?

※唖・・・音声による話ができない人

SP:????
24年02月11日 23:02
【ウミガメのスープ】 [ダニー]

一部要知識




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簡易解説
昔人魚を殺してそれを食し、不老不死になった男。
そして女は男が殺した人魚の娘だった。
女は南蛮渡来の薬を飲み、声を失う代わりに人間の足を得た。
そして母親の復讐のために男に近づき、油断させたところで気絶させ、男を海の中へと閉じ込めた。
男は海の中で溺れ、あまりの苦しみに気絶するが、決して死ぬことはない。
目が覚めたら溺れ、苦しみ、気絶して、の繰り返し。
これが女の考えた復讐の方法。

男はその復讐により毎日大量の海水を飲む羽目になったのだった。


以下長い解説、を読む前に

https://late-late.jp/mondai/show/16511

↑これを先に見ることを推奨します。


ん?なんだいお前、腹が減ってるのか?
俺のシシャモを分けてやるよ…って何ビビってんだ?
心配すんな。ちょっと尻尾が2本生えてるだけでお前と変わらないよ。
取って食ったりなんかしないから安心しな。
馳走の礼?いらないからちょっと俺の話を聞いてくれないか?

久しぶりに、本当に久しぶりに俺のご主人を見つけたのさ。
懐かしさのあまりに声を掛けようと思ったんだが、彼は別のものにご執心になってたんだな。

それが、人魚だよ。また人魚だ。

またって何が、だって?彼は以前人魚の肉を食らって不老不死になっちまった奴なんだ。
ただ彼は自分が今ご執心になってるそれが人魚だって気づいてなかったんだ。
なんでかって?その人魚には足があったのさ。
つまりは見た目は人間そのもの。俺は匂いでそれが人魚だってわかった訳だけど、彼は鼻の効かない人間だからな。情け無いこった。
それの美貌に骨抜きにされてたのさ。

俺はピーンときた。この人魚は彼が食った人魚の娘、だなって。
そしてある目的で彼に近づいてきたんだな。

なんの目的かって?そこは察しろよ。

{復讐だよ、復讐。}

自分の母親が無惨に殺された上に食われたんだ。その復讐さ。
彼に教えてやろうかと思ったんだが、ちょっと興味がわいてね。
一体人魚はどうやって不老不死の彼に復讐をするのか、ってね。
だから俺は彼らを観察することにしたのさ。

ある日、人魚は故郷に帰らねばと突然彼に別れを告げたんだ。
彼はその提案を受け入れて人魚を見送りに行ったんだが、海岸に近づいたところで人魚に襲われた。
すたんがんってやつさ。そいつで気絶させられた彼は人魚によって海の中へ連れてかれたのさ。

流石の俺も海の中までは追いかけることができないからここからは推測だ。
おそらく人魚は彼を海の中に閉じ込めたんだな。
人間ってやつは俺たちと一緒で海の中では呼吸ができない。
つまり海の中でずっといるとすげえ苦しくなるって訳だ。
普通の人間なら苦しくてすぐ死んじまうんだが、彼は普通じゃない。
死なない、いや、{死ねないのさ。}
すげえ苦しいってのが未来永劫続くんだな。
それが人魚の考えた復讐方法だったんだ。
そして人魚は憎いかたきの苦しむ顔をいつでも見に行けるって訳だ。

なんとも恐ろしい話だろ?
って、おいおい。何もそんなに怯えなくてもいいじゃないか。

え?なに?{後ろ?}
カニバリストの号哭「14Good」
良質:9票トリック:1票物語:2票納得感:2票
家族の死体の一部を口にしながら泣く男。
家族が死んだことを悲しく思っているわけではないとしたら、一体何故男は泣いているのだろうか?
24年04月10日 20:19
【ウミガメのスープ】 [ベルン]

諸事情により、金曜夜までになります! すみません!




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おなかがすいたから
(乳児の男が、亡くなった母親のおっぱいを吸っている(でも出てこない))
良質:6票トリック:3票物語:5票
「どうだ?かっこよかろう?」

ある日、父が突然パンイチで部屋に入ってきた。

極限まで鍛え抜かれたその筋肉美。
なにやらポーズを決めたあと父がそう私に問いかけてきたのだ。

今まで自分の体を見せびらかすことなど全くなかった父の突然の行動に面くらってしまった私だったが、なんとか冷静さを保ち

「とても見事な腹筋だと思います」

と答えた。

しかし父は「…そうか」と一言だけ漏らし、がっかりした様子で部屋を出ていってしまった。

問い
①この時父親は息子になんて言葉をかけて欲しかったのだろうか?
②真相を知った息子が父親にかけるべきものはなんだろうか?

※質問制限なし!
※一言一句決まった言葉を当てるのではなく、ニュアンスが合えば正解とします。ユッルユルです
※問題文中の「私」=「息子」です
24年06月29日 21:42
【20の扉】 [ダニー]

おかぷ中




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さてこの時、一国の王である父親は詐欺師たちから受け取った「愚か者には見えない服」を着ているつもりだったのだが、実際には「愚か者には見えない服」など存在しておらず、パンイチで城内を歩いていたのだった。

息子に感想を聞くと、どうやらこの服が見えぬらしい、つまりは息子は愚か者なのかと落胆してしまった。

そして父親はパンイチのままで城下の民草に自分の衣装(着てないけど)を見せに行こうとしている。

したがって答えは

①「素敵なお召し物ですね」など服を褒める言葉
②上着

でした。
花の名は。「14Good」
トリック:4票物語:1票納得感:9票
【見ぬ間に踏む花】
24年08月25日 22:27
【20の扉】 [ぷっきー]

9/1 21:00終了 スナイプ5名




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<ひまわり>
花、落つ「14Good」
良質:3票物語:8票納得感:3票
生まれた時から心臓が悪く、近くの病院でずっと入院している鼠屋敷さん。

そんな鼠屋敷さんに初めて友達ができました。

病院の近所に住んでいる離小島君。

離小島君は鼠屋敷さんに会いに彼女が入院している病室の外にやってきます。

離小島君がきたら窓を開けてお話しするのが、鼠屋敷さんの何よりの楽しみでした。

夏は日焼けで顔が真っ黒に、冬は寒さで鼻を真っ赤にしながら、離小島君は毎日鼠屋敷さんに会いにやってきます。

離小島君にとっても鼠屋敷さんと会えるのはとても大切な時間だったのです。

特に寒くなったその日は鼠屋敷さんの大事な手術の前日でした。

「手術、とってもこわいの。夜一人で寝れるかな」

離小島君に不安な気持ちを伝える鼠屋敷さん。

離小島君は夜まで一緒にいてあげたい気持ちでいっぱいでしたが、彼も家に帰らないとお母さんに心配されてしまいます。

「大丈夫!チュー子はいい子だから絶対に手術は成功するよ!」

最後にそう伝えて、後ろ髪を引かれながらも離小島君は鼠屋敷さんとお別れしました。

しかし。

次の日も。

その次の日も。

またその次の日も。

鼠屋敷さんは病室に戻ることはなく、離小島君は彼女に会うことができませんでした。

清々しいほどの晴天なのに、離小島君の心は鼠屋敷さんに会えない悲しみでどんよりと曇ったままでした。

問い
鼠屋敷さんに会うことを諦めた離小島君がバケツに入れた野菜は何?
理由とともに答えよ。

※難易度の設定上、要望がなければ誘導強めに回答していきます。もしそれが嫌な場合は質問欄(雑談チャットでもよいよ!)にてお伝えください。
※質問制限数なし!
※鼠屋敷さん、離小島君は小学五年生くらいの年齢を想定しています
25年04月27日 22:15
【20の扉】 [ダニー]

長めに設定。5/4(日) 22:00に締めます




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手術の前日。

「手術、とってもこわいの。夜一人で寝れるかな」

「・・・ちょっとまってろよ!」

離小島君は鼠屋敷さんにそう言うと雪道を走りながら家に帰り、何やらバケツを持ってきました。

バケツの中にはにんじんと、大き目の黒いボタンが入っています。

そして離小島君は雪玉を転がし、雪だるまを作り始めました。

「これで… よし!」

バケツの帽子、ボタンの目、にんじんの鼻を付けて完成した雪だるま。

「真っ赤なお鼻、コジ君みたい」

そう言ってキャッキャと笑う鼠屋敷さん。

「これで一人じゃないぞ!だるま小島がついてる!」

「うん、ありがとう!これで怖くないよ」

そうは言っても離小島君は夜まで一緒にいてあげたい気持ちでいっぱいでしたが、彼も家に帰らないとお母さんに心配されてしまいます。

「大丈夫!チュー子はいい子だから絶対に手術は成功するよ!」

最後にそう伝えて、後ろ髪を引かれながらも離小島君は鼠屋敷さんとお別れしました。

しかし。

次の日も。

その次の日も。

またその次の日も。

鼠屋敷さんは病室に戻ることはなく、離小島君は彼女に会うことができませんでした。

「チュー子、もう、会えないのかな」

落胆して視線を落とした先にはすっかり溶けて鼻が落ちてしまった雪だるま。

それを見た離小島君はなんだか無性に悲しくなり、涙が出てきました。

その心をごまかすためにか、離小島君は溶けた雪だるまを片付け始めます。

最後に残ったにんじんとボタンをバケツの中に入れ、力なく立ち上がり家に向かってトボトボと歩きはじめたのでした。



【A.にんじん】


































「あなたが、コジ君、かしら?」

家に帰る道すがら離小島君は知らない女性に話しかけられました。

「私はチュー子の母親です。あの子に頼まれてきたの」
「手術の日、急遽いいお医者さんに手術をしてもらえることになって別の病院に移ったの。それで」

「手術は無事成功したわ」

鼠屋敷ママは少し涙交じりの声で、だけども満面の笑みで離小島君にそう伝えました。

「明日こっちに戻ってこれるの。また仲良くしてくれる?」

「べ、別に、全然仲良く、するよ」

離小島君は泣いていたことが急に恥ずかしくなり、帽子を目深にかぶり直しました。

「あの子の側にいてくれて、励ましてくれて、本当にありがとう」

鼠屋敷ママにそう言われて鼻を真っ赤にする離小島君。

その時になってようやく今日が清々しいほどの晴天であることに気づいたのでした。