みんなのGood

等身大の東京「33Good」
良質:21票トリック:7票物語:1票納得感:4票
鬼塚は、大学時代の友人たちと久しぶりに再会した。
新宿駅近くの居酒屋で乾杯を済ませた5人は、それぞれに近況を語り合った。


証券会社で営業をしている{桃田}は、今の上司が厳しいらしい。今日も定時で上がろうと思った矢先に業務を押し付けられ、死に物狂いで片付けて来たそうだ。

製薬会社でMR職に従事している{犬飼}は、午後から急遽打ち合わせのために横浜の病院に向かっていたそうだが、その足でそのまま駆け付けてくれた。

{猿渡}は、バイオリニストとして世界を飛び回る奥さんをサポートするために自動車メーカーを退職し、専業主夫をしているそうだ。今日も奥さんはイタリア公演の最中らしい。

アニメーション制作会社に勤める{木島}は、納期に追われて慢性的に残業をしているとのことだが、好きなことを仕事にできて充実感を抱いているようだった。

そして、最近子どもが産まれた{鬼塚}は、自身の勤めるIT企業で初めて男性として育児短時間勤務を申請し、ワークライフバランスの取れた生活を送っている。


さて、本会は新宿駅の構内で解散となった。
自宅に帰るために1人で電車に揺られていた鬼塚は、居酒屋での時間を思い返しながら「俺はあいつに負けていたな」との感想を抱いた。
この"あいつ"とは誰のことだろうか?

※"あいつ"が誰であるかを総当たり的に特定しようとしても構いませんが、この場合[良い質問]マークはお付けしません。
※ヒントを希望される場合は、質問欄でお伝えください。
22年02月27日 15:44
【20の扉】 [炎帝]

3/2(水) 21:30までの出題を予定しています。




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桃田・犬飼・木島の3人がそれぞれの業務都合により遅参するとの連絡を受けた鬼塚は、猿渡と共に居酒屋に入り、0次会と称して先に飲み始めることにした。
鬼塚と猿渡を見た店員は「いらっしゃいませ。2名様ですか?」と、{2本指}を立てながら尋ねた。
これに対して鬼塚は「いえ。後から3人来るので全部で5人です」と、{5本指}を立てながら応じた。

帰路でこの場面を思い返した鬼塚は、「指が{パー}になっていた俺は{チョキ}の店員に負けていたな」と感じたのだった。

答: 居酒屋の入り口で鬼塚たちに応対し、人数を確認した店員
しにがみの跫「33Good」
良質:15票トリック:3票物語:15票
少女が図書館でその少年に会ってから死に怯えるようになったのは何故?
22年05月14日 21:38
【ウミガメのスープ】 [るぐら]



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余命僅かと言われても死ぬのは怖くなかった少女は病院の図書館でその少年と恋をした。
幸せを失うことは怖かった。
9回目のお願い「33Good」
良質:12票トリック:5票物語:2票納得感:14票
以上は、喧嘩別れした親友への返信にあたり、花穂が記した記号のすべてである。
○に入るものは何か。
22年05月20日 19:42
【20の扉】 [こはいち]



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<A.欠席>

花穂が返信したものは、結婚式の招待状である。必要最低限の二重線と丸のみを記入して返信したのだ。
HAPPY DEATH DAY DEAR「33Good」
良質:18票トリック:4票物語:10票納得感:1票
家族に心が病んでいるのではと心配されている田中は精神病院に通っている。

しかし田中本人は自分が病気だとは思っていない。

病気じゃないと思いながらも田中が病院に通う理由。

それは大好きな看護師さんに会う為である。

しかしある日突然彼女はあの世に行ってしまった。

彼女の死因は自殺。

院長の執拗なるハラスメントを苦にして自らの命を絶ったのだった。

もう二度と彼女とは会えなくなってしまった。

田中は涙を流して喜んだ。

一体なぜ?
22年09月20日 23:51
【ウミガメのスープ】 [ダニー]



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短い解説
自殺して幽霊となった大好きな彼女に会うために廃病院に通っていた田中。
幾度の田中との逢瀬でこの世の未練が消え去り、成仏できた彼女。
田中の前でさよならを告げて突然あの世に行ってしまった。
田中は悲しみの涙を流しながらも、彼女が現世での苦しみから解放されたことを喜んだのであった。


長い解説
「田中、今までありがとう。そしてごめんなさい」

それ以降更新が止まってしまった沢渡からのLINEを見つめる田中。

沢渡若菜は自殺した。

勤め先の精神病院、その院長からの執拗なハラスメントに耐えられず、自らの命を絶った。

フリーのジャーナリストとして活動している田中が、沢渡からの相談を受けて、院長のハラスメントの実態を記事にし告発する準備をしている最中のことだった。

中学生の時に1年間だけ付き合っていた沢渡からLINEが届いたのは2年前。
「まだ電話番号変わってないんだね」
そんな突然のメッセージから二人のやりとりが始まり、割と頻繁に連絡を取り合っていた。
上京して活動している田中と地元に就職した沢渡。
距離を言い訳にして二人は2年間一度も会うことはなかった。
今の関係性がとても心地良い。
会ってしまえばそれが変わってしまうのではないか、と二人ともうっすらと感じており、それをなんとなくおそれていたのだった。

しかし沢渡自殺の報を受けて田中は彼女に会いに行かなかったことを激しく後悔した。
もし会って話していれば、もし自分と彼女の関係性が変わっていれば、彼女は死ぬことはなかったかもしれない、と。

「田中、今までありがとう。そしてごめんなさい」

一日一回は時の止まってしまったLINEを見つめる。
そのたび押し寄せる慚愧の念に押し潰されそうになるが、田中はその習慣をやめなかった。
そして田中は彼女のことを誰にも相談しなかった。
誰かに話してしまうと自分の罪が水に落としたインクのように薄くなってしまう気がしたからだ。

田中なりの不器用なやり方で彼女の死と向き合い続けて、さらに2年が経った頃、田中の耳にある噂が入る。

「地元にある閉院となった精神病院に幽霊がでる」

地元の友人との酒の席で聞いた話は田中の耳から離れなくなってしまった。

彼女が勤めていた精神病院は田中が告発するまでもなく、彼女の自殺を発端に院長へのバッシングが集まり、閉院にまで追い込まれた。
今は廃病院となってしまったそこに幽霊が出るというのだ。

居ても立っても居られなくなってしまった田中は久しぶりに帰郷することにした。

実家に戻り、両親には事情は一切説明せず、ある程度の準備を整えて田中は夜中にその病院に忍び込んだ。

当たり前だが門扉には鍵が掛かっており、侵入できる場所は一階の割れた窓からのみだった。

真夏の深夜、日が落ちても蒸し暑い気温でうっすらと汗をかくぐらいなのだが、病院の中はなぜか少し肌寒い。

田中はホラー系が苦手で、本来なら「幽霊が出る廃病院」など絶対に入ることなどできないのだが「沢渡に会える一縷の望み」のせいなのか、今の田中には全く恐怖心がなかった。

彼女はロッカールームで首を吊って自殺したという情報を得ていた田中は、そのロッカールームへと足を進めた。

そしてそのロッカールーム前。

中から女性の啜り泣く声が聞こえてくる。

田中は全く恐れもせずその扉を開いた。



いる。

全く光が差さない室内なのにそれだけはくっきりと視認することができる。

それは、紛れもなく、沢渡若菜だった。

さて会えるという希望を持ちながら、どこかでそれを信じていなかった田中は目の前の現実にどう対応してよいのか大層戸惑った。

そんな田中の存在に気づいた彼女。

「誰?」

沢渡の声だった。
以前に酔っ払って何度か電話をかけたことがある。
その時の声とまったく変わっていない。

その声で今までの戸惑いが消え、心がスッと落ち着いた。

「俺だ、田中だ。覚えているか?」
彼女の問いにそう応じた。

「誰? わからない」
「わからないわからないわからないワカラナイワカラナイ!」

突然彼女が叫び出した。
ロッカールームがガタガタと揺れ出す。

「落ち着け沢渡! 俺だ!同じ中学だった田中!」
「ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ!」

彼女の叫び声とシンクロするように揺れだしたロッカールーム。
その叫び声を聞きながら田中の意識は徐々に遠のいていき、そして気を失った。

目を覚ましたのは早朝。病院の前だった。
急いでロッカールームへと向かったが、あれほど揺れていたのにその形跡は全くなく、そして彼女もいなくなっていた。

その日から毎夜病院に忍び込むようになった田中。
彼女はいつもあの場所に居た。
しかし何度アプローチしても、最初の出会いと同じく、彼女に自分のことを認識してもらうことができず、毎回病院の前で朝を迎えることになった。

そんな田中を家族は訝しんだ。
弟に尾行され、深夜廃病院に忍び込む様子を目撃されてからは「心が病んでしまったのか?」と疑われる始末。

田中はそれでも家族に事情を話そうとはしなかった。

そんなある日。
田中は自室で懐かしいものを見つけた。

沢渡と付き合っていた中学3年の時。
インフルエンザになった田中を看病しに来てくれた彼女に、病気をうつしてはいけないと部屋に入ることを拒んだことがあった。

彼女は一旦自分の家に戻り、そして糸電話を作って持ってきたのだった。

それを見て、そこまでするかと笑ってしまった田中に彼女はむくれてしまう。
そんな彼女を宥めるのに糸電話を使って謝り倒すと、彼女もゲラゲラと笑い出した。
そして親に怒られるまで彼女とたわいもない会話をしたのだった。

紙コップで作られた簡素な糸電話。
自分はこれを大事にしまっていたんだな。

「よし!」
今度こそ沢渡にわかってもらえる気がする。
確信めいたものを感じ、田中は廃病院のロッカールームへと向かった。


「誰?」
最初の出会いと変わらない彼女の問い。

田中はそれには応じ返さず、そっと彼女の近くに糸電話の片割れを置いた。
そしてもう片方を持ち、ロッカールームから出て彼女が見えない位置にまできた田中は、その糸電話で彼女に語りかけた。
もちろん糸が垂れ下がった状態では声が届くわけはない。
それでも田中は、自分のことや中学の時の思い出などをひとり語りした。

そして気がついたら、いつのまにか垂れ下がっていた糸が彼女に向かってピンと伸びていた。

「田中?」
「ああ俺だ。田中。思い出したか?」
「インフルエンザ、辛くない?」
「いつの話をしてんだよ」
「田中」
「そう、田中だ」
「田中、ごめんね。ごめんなさい」

彼女の謝罪の言葉を聞いた田中はついに涙腺に溜まっていたものを堪えきれなくなってしまった。

「ご、ごめんって何に、だよ。あ、謝んのは俺だ。本当は、本当はずっと会いに行きたかった。で、でもなんか怖くて。盛り上がってんのは自分だけなんじゃないのかな、とか。なに会いにきてんだこいつって思われたりしないかな、とか、さ。本当は辛い目にあっている沢渡にあって直接話を聞きたかったんだ。い、いや、俺が沢渡を慰められるって自信があった訳じゃ、ないん、だけど」
「落ち着け田中」
「・・・はい」
「私もたぶん田中と同じ気持ちだった」
「同じ気持ちって・・・俺を好きだったってこと?」
「ち、違っ!・・・いや違わないか。なんか変にカッコつけて会わないようにしてた。うん。きっとそれは田中のことが好きだったから。会って失望されたり、それで今の関係が壊れたりするのが怖かった」
「一緒、だったのかあ」
「一緒だったのね」
「・・・」
「田中」
「ん?」
「こっちにきてよ。幽霊になっちゃったけど、私に会いにきてよ」
「うん」

今まで真っ暗だったロッカールーム。
今は眩しいくらいに月明かりが差し込んでいる。
その中に佇む彼女。
とても幻想的で、そしてとても美しかった。

その美しさに呆けている田中に彼女は話しだす。

「私、ずっと溺れていたの」
「溺れる?」
「実際に溺れていたわけじゃないんだけど、溺れて息ができない苦しみみたいなのがずっと続いていたの」
「・・・」
「今はとても気持ちがいい。これって田中のおかげなんだね」
「うん、恩着せがましいけど、たぶん俺のおかげ」
「田中」
「ん?」
「たぶんもうお別れだ」
「そ、か」
「会えてよかった」
「俺もだ」
「好きだよ田中」
「俺も・・・グスッ、だ」
「さよなら」
「ざよ、な"ら」

そして月の明かりの中で彼女の輪郭がどんどんと曖昧になり。

彼女は消えた。


やっと会えたのにもう二度と会えなくなってしまった。

でも。

彼女を救うことができた。

俺だからできたんだ。

田中は涙と鼻水まみれの顔で月を見上げて、ガッツポーズを取った。

「さよなら沢渡。また何十年か後に会おうな」


LIKE FATHER「33Good」
良質:12票トリック:16票納得感:5票
父親が男女交際も一人暮らしにも反対しているので、鼠屋敷さんは一人暮らしを始めるために、付き合っている彼氏を父親に見せようとした。

一体なぜ?

※Cindyにて出題済み問題。知っている方はこんなとこで油売ってないで月らてに投票だ!
23年12月13日 20:56
【ウミガメのスープ】 [ダニー]



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「もう我慢できない!こんな家出ていく!」
自分に対して厳しい父親に嫌気がさした鼠屋敷さんは、高校卒業のタイミングで前々から計画していた一人暮らしを始めることを決意した。

「ということで私は一人暮らしをします!」
「まあ応援はするけどさ。本当は親父さんと仲良くしてもらいたいなあ」
「無理無理無理!ユウ君と付き合ってることも教えたらたぶん別れさせられるよ!考え方が昭和なのよ」
「うーん、一人暮らしかー。でもチュー子は未成年だからアパート借りるにも親の承諾が必要だよ?」
「だから今ユウ君のところに来たんじゃない。父親役よろしく!」
「え?俺32歳だよ?ちょっと無理じゃね?」
「全然イケる!老けてる!」
「え?ヒドくね?」

鼠屋敷さんは年上でそこそこの老け顔の彼氏を不動産屋に連れて行き、彼を父親に見せて(自分の父親と偽り)部屋を契約しようとしたのであった。