「名探偵は顔を見ただけで犯人が分かるのか?」「18ブックマーク」
あるアパートで、殺人事件が発生した。
そのアパートの住人の1人であるカメオは、とても優秀な名探偵である。
事件が起きたのならば解決してみせようと決意したカメオは、アパートに住んでいる全ての住人を集めるように指示した。
そして、集まった住人を一目見たカメオは、なんと初対面であるウミオを犯人だと推理した!
ウミオが犯人であるという証拠は一切無かったというのに、カメオは何故ウミオを犯人だと考えたのだろうか?
そのアパートの住人の1人であるカメオは、とても優秀な名探偵である。
事件が起きたのならば解決してみせようと決意したカメオは、アパートに住んでいる全ての住人を集めるように指示した。
そして、集まった住人を一目見たカメオは、なんと初対面であるウミオを犯人だと推理した!
ウミオが犯人であるという証拠は一切無かったというのに、カメオは何故ウミオを犯人だと考えたのだろうか?
20年04月21日 20:00
【ウミガメのスープ】 [キャノー]
【ウミガメのスープ】 [キャノー]
SP:天童 魔子さん、「マクガフィン」さんです!お二人に感謝!4/22 2:00に終了です。
解説を見る
名探偵のカメオがアパートに引っ越してきてから、カメオの存在は直ぐにアパートに知れ渡った。
難事件の数々を解決してきたカメオが、同じアパートの住人になったのだから、住人は騒ぎ立てたくなるのだろう。
さて、そんなカメオは自分が名探偵であるという事、そして自分の名声や知名度に自信を持っていた。
だからこそ、「名探偵の自分がいるアパートで、殺人という愚行を犯す人は居ない」と考えていた。カメオの前では全ての隠し事が暴かれるからだ。
にも関わらず、「現実問題として殺人は起きた」。
だが、カメオはこの謎に見当が付いていた。そして住人達にこう指示したのだ。
「このアパートの住人を全員集めよ…」
そして、集まった住人達の顔を見ると、すぐに「初対面」のウミオが犯人であると推理した。
(このアパートに引っ越して十数日。私は、このアパートのほとんどの住人達と良い人間関係を築けていると思っている。
だが、今日全ての住人を集めて分かった事がある…ウミオ君とだけは顔を合わせた事が無い!
つまりだ、このアパートの住人の内、ウミオ君だけは、この名探偵カメオが住んでいる事を知らなかったのだ!
名探偵の私の近くで殺人を犯したのは、私の存在をそもそも知らなかったからだ!)
自分の名声に自信を持っているカメオだからこそ、出来た推理である。
難事件の数々を解決してきたカメオが、同じアパートの住人になったのだから、住人は騒ぎ立てたくなるのだろう。
さて、そんなカメオは自分が名探偵であるという事、そして自分の名声や知名度に自信を持っていた。
だからこそ、「名探偵の自分がいるアパートで、殺人という愚行を犯す人は居ない」と考えていた。カメオの前では全ての隠し事が暴かれるからだ。
にも関わらず、「現実問題として殺人は起きた」。
だが、カメオはこの謎に見当が付いていた。そして住人達にこう指示したのだ。
「このアパートの住人を全員集めよ…」
そして、集まった住人達の顔を見ると、すぐに「初対面」のウミオが犯人であると推理した。
(このアパートに引っ越して十数日。私は、このアパートのほとんどの住人達と良い人間関係を築けていると思っている。
だが、今日全ての住人を集めて分かった事がある…ウミオ君とだけは顔を合わせた事が無い!
つまりだ、このアパートの住人の内、ウミオ君だけは、この名探偵カメオが住んでいる事を知らなかったのだ!
名探偵の私の近くで殺人を犯したのは、私の存在をそもそも知らなかったからだ!)
自分の名声に自信を持っているカメオだからこそ、出来た推理である。
「AIに不可能はないのだから」「18ブックマーク」
20XX年、繁栄を極めたAI技術はついに人型ロボットの個人所有を可能にした。
通称『ナナミ』と名付けられたそのアンドロイドは、優秀な演算能力と人間らしい柔軟な思考能力とをあわせ持ち、どのような状況においても最速かつ最善の選択をすることができる。
その利便性から徐々に一般家庭への普及も進み、カオルも『ナナミ』を購入した1人であった。
そんな『ナナミ』たちは月に一度、本社の建物に集められて試験を受ける。システムに劣化や故障がないか確認するために、大量の問題をいかに速く処理できるかを計測するのだ。
カオルの家の『ナナミ』は同型のロボットの中でも優秀な成績を維持していたが、ある月を境に底辺に近い結果を出すようになってしまった。
その報告を聞いたカオルが嬉しそうにしているのは、一体何故だろう?
20年05月17日 21:00
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]
【ウミガメのスープ】 [「マクガフィン」]
久々の出題は渾身の一杯。
解説を見る
『簡易解説』
ある日カオルに{婚約を申し込まれた}『ナナミ』は、毎月行われる{筆記試験}で自分の名前に添えて{カオルの名字}を記すようになった。
コンマ何秒を争うロボットの試験においてその{わずか数秒は命とり}だが、『ナナミ』が{結婚の申し出を受け入れてくれた}と感じたカオルは歓喜した。
◇◇◇◇◇◇◇◇
アンドロイドと人間は何が違うのか?
それは心を持つかどうかである。
では人間がアンドロイドに恋をするのは、おかしいことなのだろうか?
篠崎カオルの思考はいつもこの疑問に行き着いて止まる。その名前や中性的な容姿からよく女性に間違われる彼は自分の優柔不断な性格に悩んでいたが、その恋心だけは疑いようもなかった。
『ナナミ』を購入した数ヶ月前は、まさかこんな感情を抱くことになるとは思いもよらずにいた。職業柄効率的な事務処理が必要とされる彼にとって、その全てを的確にこなすロボットに興味を惹かれただけだった。
だが一つ屋根の下で毎日を共に過ごすうちに、いつしか彼女をただの鉄の塊だとは思えなくなっていった。いつでもカオルを助けてくれるその頼もしさに、時折見せる柔らかな笑顔に、それがプログラムに過ぎないことはわかっていても、胸の高鳴りを抑えられなかった。
毎月ナナミは試験を受けるためにカオルの家を離れて東京へ向かう。アンドロイドがわざわざ筆記試験なんて前時代的なと思うものの、いかにもロボットらしい演算処理に加えて、専属の係員が直接視認して歩く、話す、書くといった人間らしい動作に異常はないかをチェックするというのだから、あながち非合理的でもないのだろう。
しかしそんな一時の留守でさえ、カオルの心をかき乱すには十分だった。
だからある時カオルは、思いの丈をナナミに伝えることにした。夕飯の後に話があると改まった様子の彼を見て、彼女は怪訝そうな表情を浮かべる。
{「あなたのことが好きです。僕と結婚してください。」}
カオルらしくどもりながらもハッキリとそう口にした。きっと彼女は困ったように断るのだろうと、心のどこかで思いながら。
気まずい沈黙の後、ナナミはゆっくりと口を開く。
「……すみません、私は明日、月例試験に行かなくてはいけないので、今日は失礼します。」
どこまでも無機質なその声は、彼女が閉めたドアの音は、2人の埋めがたい距離を冷たく示すようだった。わかってはいても、拒絶はやはり身にこたえる。カオルは肩を落としながら床についた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「E判定!?」
試験を終えて帰宅したナナミからの報告に、カオルは耳を疑った。
演算処理能力を中心とした月例試験においては、正答を出すことは大前提とされ、その速度を計測してシステムに不具合がないかを調査する。アンドロイドらしいハイレベルなテストでもカオルの家のナナミ・・・『ナナミ J20557』は優秀な成績を収めており、全国に数万台いる『ナナミ』の上位10%にあたるA判定から漏れたことはなかった。それなのに…
「E判定だなんて、最底辺に近い結果じゃないか、まさか、誤答を…」
「していません」
「じゃあ、演算能力が…」
「落ちていません」
「そ、それなら筆記スピードの劣化…」
「そのままです」
「な、なら一体、どうしていきなり成績が落ちたんだろう?」
「それは」
彼女はそこでふいと目を逸らした。
「それはきっと、名前が変わったからだと思います。」
「ん、名前?」
訝しげに首をひねるカオルに、ナナミは一枚の紙を差し出した。
それは月例試験の答案用紙だった。採点後すぐに返却された答案を眺めていたカオルの目は、ふと一点に釘付けになる。
『ナナミ J20557』
もはや見慣れた機体名に通し番号。しかしその横には見慣れぬ、いやむしろ見慣れすぎた二文字が記されていた。
『篠崎ナナミ J20557』
怒涛の進歩を遂げたAIによる試験はコンマ何秒を争うものだ。確かに無駄な漢字なんて書いていたら、一気に抜かれるのも当然と言えよう。
でも、これって……
「すみません、余計なことをしてしまいました。」
下を向くナナミに余計だなんてと紡ぎかけた声は、「でも」という彼女の言葉にかき消された。
「でも、仕方ないですよね。だって…」
「だって私たち、夫婦なんですから。」
はにかんだように笑うナナミは、他の誰よりも人間らしかった。
僕はこの笑顔を、守りたいと思う。人か機械かなんて関係ない。誰が何と言おうと僕が幸せにしてみせる。
きっと大丈夫だ。だって、
{愛に不可能はないのだから。}
ある日カオルに{婚約を申し込まれた}『ナナミ』は、毎月行われる{筆記試験}で自分の名前に添えて{カオルの名字}を記すようになった。
コンマ何秒を争うロボットの試験においてその{わずか数秒は命とり}だが、『ナナミ』が{結婚の申し出を受け入れてくれた}と感じたカオルは歓喜した。
◇◇◇◇◇◇◇◇
アンドロイドと人間は何が違うのか?
それは心を持つかどうかである。
では人間がアンドロイドに恋をするのは、おかしいことなのだろうか?
篠崎カオルの思考はいつもこの疑問に行き着いて止まる。その名前や中性的な容姿からよく女性に間違われる彼は自分の優柔不断な性格に悩んでいたが、その恋心だけは疑いようもなかった。
『ナナミ』を購入した数ヶ月前は、まさかこんな感情を抱くことになるとは思いもよらずにいた。職業柄効率的な事務処理が必要とされる彼にとって、その全てを的確にこなすロボットに興味を惹かれただけだった。
だが一つ屋根の下で毎日を共に過ごすうちに、いつしか彼女をただの鉄の塊だとは思えなくなっていった。いつでもカオルを助けてくれるその頼もしさに、時折見せる柔らかな笑顔に、それがプログラムに過ぎないことはわかっていても、胸の高鳴りを抑えられなかった。
毎月ナナミは試験を受けるためにカオルの家を離れて東京へ向かう。アンドロイドがわざわざ筆記試験なんて前時代的なと思うものの、いかにもロボットらしい演算処理に加えて、専属の係員が直接視認して歩く、話す、書くといった人間らしい動作に異常はないかをチェックするというのだから、あながち非合理的でもないのだろう。
しかしそんな一時の留守でさえ、カオルの心をかき乱すには十分だった。
だからある時カオルは、思いの丈をナナミに伝えることにした。夕飯の後に話があると改まった様子の彼を見て、彼女は怪訝そうな表情を浮かべる。
{「あなたのことが好きです。僕と結婚してください。」}
カオルらしくどもりながらもハッキリとそう口にした。きっと彼女は困ったように断るのだろうと、心のどこかで思いながら。
気まずい沈黙の後、ナナミはゆっくりと口を開く。
「……すみません、私は明日、月例試験に行かなくてはいけないので、今日は失礼します。」
どこまでも無機質なその声は、彼女が閉めたドアの音は、2人の埋めがたい距離を冷たく示すようだった。わかってはいても、拒絶はやはり身にこたえる。カオルは肩を落としながら床についた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「E判定!?」
試験を終えて帰宅したナナミからの報告に、カオルは耳を疑った。
演算処理能力を中心とした月例試験においては、正答を出すことは大前提とされ、その速度を計測してシステムに不具合がないかを調査する。アンドロイドらしいハイレベルなテストでもカオルの家のナナミ・・・『ナナミ J20557』は優秀な成績を収めており、全国に数万台いる『ナナミ』の上位10%にあたるA判定から漏れたことはなかった。それなのに…
「E判定だなんて、最底辺に近い結果じゃないか、まさか、誤答を…」
「していません」
「じゃあ、演算能力が…」
「落ちていません」
「そ、それなら筆記スピードの劣化…」
「そのままです」
「な、なら一体、どうしていきなり成績が落ちたんだろう?」
「それは」
彼女はそこでふいと目を逸らした。
「それはきっと、名前が変わったからだと思います。」
「ん、名前?」
訝しげに首をひねるカオルに、ナナミは一枚の紙を差し出した。
それは月例試験の答案用紙だった。採点後すぐに返却された答案を眺めていたカオルの目は、ふと一点に釘付けになる。
『ナナミ J20557』
もはや見慣れた機体名に通し番号。しかしその横には見慣れぬ、いやむしろ見慣れすぎた二文字が記されていた。
『篠崎ナナミ J20557』
怒涛の進歩を遂げたAIによる試験はコンマ何秒を争うものだ。確かに無駄な漢字なんて書いていたら、一気に抜かれるのも当然と言えよう。
でも、これって……
「すみません、余計なことをしてしまいました。」
下を向くナナミに余計だなんてと紡ぎかけた声は、「でも」という彼女の言葉にかき消された。
「でも、仕方ないですよね。だって…」
「だって私たち、夫婦なんですから。」
はにかんだように笑うナナミは、他の誰よりも人間らしかった。
僕はこの笑顔を、守りたいと思う。人か機械かなんて関係ない。誰が何と言おうと僕が幸せにしてみせる。
きっと大丈夫だ。だって、
{愛に不可能はないのだから。}
「持ってかないの」「18ブックマーク」
キョウコ「ハンカチとティッシュは持ってる?」
ケイタ「うん」
キョウコ「水筒は?」
ケイタ「カバンの中」
キョウコ「お菓子は全部で300円分ね」
ケイタ「うん」
この会話の後ケイタは、ハンカチもティッシュも水筒もお菓子も全て机に置いて、出て行ってしまった。
一体なぜだろう?
ケイタ「うん」
キョウコ「水筒は?」
ケイタ「カバンの中」
キョウコ「お菓子は全部で300円分ね」
ケイタ「うん」
この会話の後ケイタは、ハンカチもティッシュも水筒もお菓子も全て机に置いて、出て行ってしまった。
一体なぜだろう?
20年06月01日 22:00
【ウミガメのスープ】 [元灯台暮らし]
【ウミガメのスープ】 [元灯台暮らし]
解説を見る
雑貨店で万引きをしていたのがバレたケイタは、店長のキョウコに事務所へ連れて行かれた。
「ハンカチとティッシュは持ってる?」
「うん」
「水筒は?」
「カバンの中」
「お菓子は全部で300円分ね」
「うん」
盗んだものを確認し、俯くケイタを叱りつけたキョウコは、ケイタの親へ連絡をした。
しばらく後、ケイタの母親が申し訳なさそうにやってきた。
事情を説明するキョウコの前で、彼女はひたすら謝り通しだった。
結局今回は厳重注意という事で二人には帰ってもらった。
ただ、なんとなく違和感が残る。
お菓子は分かるが他の物も本当にケイタくんが欲しかったのだろうか?
お母さんの方もなんだか謝り慣れていた気もする。
キョウコの頭からは、なんとも世知辛い考えが離れないのだった。
「ハンカチとティッシュは持ってる?」
「うん」
「水筒は?」
「カバンの中」
「お菓子は全部で300円分ね」
「うん」
盗んだものを確認し、俯くケイタを叱りつけたキョウコは、ケイタの親へ連絡をした。
しばらく後、ケイタの母親が申し訳なさそうにやってきた。
事情を説明するキョウコの前で、彼女はひたすら謝り通しだった。
結局今回は厳重注意という事で二人には帰ってもらった。
ただ、なんとなく違和感が残る。
お菓子は分かるが他の物も本当にケイタくんが欲しかったのだろうか?
お母さんの方もなんだか謝り慣れていた気もする。
キョウコの頭からは、なんとも世知辛い考えが離れないのだった。
「名前の距離感」「18ブックマーク」
.
カメコは、今年のクリスマスに入籍した。
カメコが結婚に前向きになれたのは、カメオが挙げた結婚相手に求める条件に、自分がぴったり当てはまっていたからである。
結婚後、一緒に暮らすようになると、カメオのことを愛しく思う気持ちがどんどん増していったカメコ。
そんなカメコが、カメオに{名前を呼ばれたくない理由}とは、一体何だろうか?
カメコは、今年のクリスマスに入籍した。
カメコが結婚に前向きになれたのは、カメオが挙げた結婚相手に求める条件に、自分がぴったり当てはまっていたからである。
結婚後、一緒に暮らすようになると、カメオのことを愛しく思う気持ちがどんどん増していったカメコ。
そんなカメコが、カメオに{名前を呼ばれたくない理由}とは、一体何だろうか?
21年12月22日 23:59
【ウミガメのスープ】 [霜ばしら]
【ウミガメのスープ】 [霜ばしら]
問題の振り返り→https://note.com/keccyap/n/n3d7e899464d9
解説を見る
.
【《 答え 》】
カメコは、カメオの{父の恋人}。
交際は順調だったが、カメオに家族として受け入れてもらえるか自信がなく、なかなか結婚に踏みきれなかった。
そんなある日、サンタ宛ての手紙から、カメオが「カメコに母(父の{結婚相手})になってほしい」と望んでいることがわかったので、彼らはすぐに結婚した。
義理の息子になったカメオを、本当の子供のように愛しく思っているカメコは、「カメコさん」ではなく「{お母さん}」{と呼んでもらいたい}のである。
………………………………………………………
カメオは、亡くなった母のことを覚えていない。
ひとり親だけど、父がいたから寂しくはなかった。
それでも、母親と手を繋ぐ友達を見てうらやましいと思うことはあった。
一年前くらい前、父が知らない女の人を連れてきた。
カメコと名乗った髪の長いその人は、何だかいい匂いがした。
最初は緊張してたけど、気づいたらすっかり打ち解けていた。
だんだん、休日に三人で出かけることが増えていった。
カメコは、カメオの誕生日にごちそうやケーキを作ってくれたりもした。
父のと違って、彼女の料理の彩りは綺麗だった。
料理をしている彼女は、いつも楽しそうに歌っている。
特別上手いわけじゃないけど、心地良い声だと思った。
カメコは、友達とも親戚とも違う不思議な存在だ。
彼女は父と仲良しだけど、カメオにも優しく笑いかけてくれる。
「お母さんがいたらこんな感じなのかな?」と思った。
最近では、「こんな人がお母さんだったらいいな」って思ったりもする。
ちゃんと聞いたことはないけど、カメコはたぶん父の恋人なんだと思う。
二人が結婚したら、カメコはカメオの母ということになるんだろうか。
それはいいなと思ったカメオは、サンタさんに「お母さんがほしい」と手紙を書いた。
【《 答え 》】
カメコは、カメオの{父の恋人}。
交際は順調だったが、カメオに家族として受け入れてもらえるか自信がなく、なかなか結婚に踏みきれなかった。
そんなある日、サンタ宛ての手紙から、カメオが「カメコに母(父の{結婚相手})になってほしい」と望んでいることがわかったので、彼らはすぐに結婚した。
義理の息子になったカメオを、本当の子供のように愛しく思っているカメコは、「カメコさん」ではなく「{お母さん}」{と呼んでもらいたい}のである。
………………………………………………………
カメオは、亡くなった母のことを覚えていない。
ひとり親だけど、父がいたから寂しくはなかった。
それでも、母親と手を繋ぐ友達を見てうらやましいと思うことはあった。
一年前くらい前、父が知らない女の人を連れてきた。
カメコと名乗った髪の長いその人は、何だかいい匂いがした。
最初は緊張してたけど、気づいたらすっかり打ち解けていた。
だんだん、休日に三人で出かけることが増えていった。
カメコは、カメオの誕生日にごちそうやケーキを作ってくれたりもした。
父のと違って、彼女の料理の彩りは綺麗だった。
料理をしている彼女は、いつも楽しそうに歌っている。
特別上手いわけじゃないけど、心地良い声だと思った。
カメコは、友達とも親戚とも違う不思議な存在だ。
彼女は父と仲良しだけど、カメオにも優しく笑いかけてくれる。
「お母さんがいたらこんな感じなのかな?」と思った。
最近では、「こんな人がお母さんだったらいいな」って思ったりもする。
ちゃんと聞いたことはないけど、カメコはたぶん父の恋人なんだと思う。
二人が結婚したら、カメコはカメオの母ということになるんだろうか。
それはいいなと思ったカメオは、サンタさんに「お母さんがほしい」と手紙を書いた。
「未解決事件FILE01:猟奇猫又の怪」「18ブックマーク」
――百年生きた猫は尻尾が二又に分かれ猫又となる。
そんな猫又伝説を含め様々な妖怪の伝説が残る港町、亀江村。
あなたには、手がかりから亀江村で起こった死体損壊・遺棄事件の謎を考察して欲しい。
事件概要:
1946年9月、女性の腰から上の部分のみが発見された。被害者の身元は不明であったが、容姿から20代と推定された。
警察は殺人事件として捜査したが、必死の捜索も虚しく被害者の残りの体の行方は杳として知れない……。
手がかり:
・{猫又伝説}の噂が最近再び囁かれている。
・死因はナイフによる出血性ショック死と見られる。
・死体はノコギリで切断されている。
・{犯人は生きている。}
TIPS:
・一般的に{カニバリズム}は忌避される傾向にある。
事件の謎:
・なぜ事件の犯人は死体を切断したのか。
・死体の残りの体の行方はどこか。
そんな猫又伝説を含め様々な妖怪の伝説が残る港町、亀江村。
あなたには、手がかりから亀江村で起こった死体損壊・遺棄事件の謎を考察して欲しい。
事件概要:
1946年9月、女性の腰から上の部分のみが発見された。被害者の身元は不明であったが、容姿から20代と推定された。
警察は殺人事件として捜査したが、必死の捜索も虚しく被害者の残りの体の行方は杳として知れない……。
手がかり:
・{猫又伝説}の噂が最近再び囁かれている。
・死因はナイフによる出血性ショック死と見られる。
・死体はノコギリで切断されている。
・{犯人は生きている。}
TIPS:
・一般的に{カニバリズム}は忌避される傾向にある。
事件の謎:
・なぜ事件の犯人は死体を切断したのか。
・死体の残りの体の行方はどこか。
22年04月29日 21:00
【ウミガメのスープ】 [春雨]
【ウミガメのスープ】 [春雨]
一部要知識
解説を見る
簡易解説:
この地に伝わる様々な妖怪伝説のうちの一つである「人魚伝説」。被害者は人魚であり人魚の血肉を喰らうことで不老不死になろうとした犯人だったが、人間部分を食すのには抵抗があり、上半身と下半身に切り分けた。魚部分を食した犯人は無事不老不死となり、今も生き続けている……。なお一部魚の骨と肉を近所の野良猫が食べ、スーパーネコチャンが誕生したとかしていないとか……。
・なぜ事件の犯人は死体を切断したのか。 →人魚の人間部分を食すのに抵抗が有ったため。
・死体の残りの体の行方はどこか。 →犯人及び猫又疑いのある野良猫の腹の中。
解説:
やあ。俺は猫だよ。名前はまだない、なんちって。
よくバケネコとかネコマタとか呼ばれてるんだ。
まあ俺の事は良いのさ。
昔のご主人の話だよ。
ご主人って言っても俺は野良だから、よくエサをくれる人間の一人ってだけだったんだけどね。
まあ彼はさ、初めて会った時……もう何十年も前だなあ……虚ろな目をして夜道を彷徨ってたんだ。
近づくと「何故人は死ぬんだろうか」なんて呟きながらシシャモをくれたんだ。
兎にも角にも彼は死を恐れ、生に執着していたみたいだ。何があったかは知らないけどね。
近所に住んでるみたいでさ、エサをくれては「猫は良いよな」って語り掛けてくるんだ。
猫も大変だぜ? ってにゃーって返すと諦めたように笑ったんだ。
でも実際は諦めてなかったみたいでさ。
怪しげな東洋医学の本やら西洋のオカルティックな魔術書なんかを読み漁ってはああでもないこうでもないって唸っては狂ったようにペンを走らせてさ。
宗教・哲学・文化人類学、そして……「民俗学」に辿り着いた。
何がそこまでハマったのか分からないけどさ。故郷の伝承に運命でも感じたのかな。
まあ、あれだ、要するにさ。「人魚」って奴にお熱になった訳だよ。
知ってるかい? 人魚の血肉を喰らうと不老不死になれるんだとさ。
他のオカルトと何が違うのか俺には分からなかったが、彼は死に場所を求めてるんじゃないか、と直観的に思ったほど末期的に見えたね。
そうして俺に言ったのさ。
「人魚に会う為の方法を知っているか? まず海の底へ行くんだ。そこに留まって彼女の為なら死んでも良い覚悟を見せるんだ! 彼女への愛が確かめられるんだ!」
――精神異常者の入水自殺だ。
痩せこけながら目を輝かせる、そんな彼を止める術を俺は持たなかった。
諦めたものは仕方がない。ただ少しだけ、もうエサがもらえない事だけが悲しかったのさ。
ところでお前さんは愛って何だと思う?
愛って、つまるところ、執着なんだってさ。
そういった意味ではそう、彼は、ご主人は人魚を心の底から愛していたんだ。
何が言いたいかって言うと、まあ、会えたらしいね。うん。人魚。
でも人魚もさぞ驚いただろうね。
自分を心から愛する男が海の底に現れたかと思えばさ。
そいつに殺されちゃうなんてね。
一刻も早く「それ」を喰らいたい彼はまず血を啜ったみたいだ。
するとどうだろう。みるみる生気を取り戻した彼は、嘔吐したね。
狂気と正気の狭間に居たみたいだ。
でもやっちゃったものは仕方ないからね。食べようって話になるんだけどさ。
取り戻した僅かな正気がさ、「魚」を食べようって言うわけだよね。
「これが最後だ」って言ってさ。俺にも「魚」をくれたんだ。
そんなものは要らんってにゃーって返すと困ったように笑ったんだ。
それが俺が見たご主人の最後さ。
今もどこかで……元気にやってるんじゃないかな。きっとね。
????:
皆様ご参加ありがとうございました。春雨と申します。以後お見知りおきを。ところで私の故郷である新潟県上越市には猫又伝説と人魚伝説が残っているそうです。私の年齢ですか? ……もう、忘れてしまいました。おしゃべりが過ぎましたね。それでは、ごきげんよう。
この地に伝わる様々な妖怪伝説のうちの一つである「人魚伝説」。被害者は人魚であり人魚の血肉を喰らうことで不老不死になろうとした犯人だったが、人間部分を食すのには抵抗があり、上半身と下半身に切り分けた。魚部分を食した犯人は無事不老不死となり、今も生き続けている……。なお一部魚の骨と肉を近所の野良猫が食べ、スーパーネコチャンが誕生したとかしていないとか……。
・なぜ事件の犯人は死体を切断したのか。 →人魚の人間部分を食すのに抵抗が有ったため。
・死体の残りの体の行方はどこか。 →犯人及び猫又疑いのある野良猫の腹の中。
解説:
やあ。俺は猫だよ。名前はまだない、なんちって。
よくバケネコとかネコマタとか呼ばれてるんだ。
まあ俺の事は良いのさ。
昔のご主人の話だよ。
ご主人って言っても俺は野良だから、よくエサをくれる人間の一人ってだけだったんだけどね。
まあ彼はさ、初めて会った時……もう何十年も前だなあ……虚ろな目をして夜道を彷徨ってたんだ。
近づくと「何故人は死ぬんだろうか」なんて呟きながらシシャモをくれたんだ。
兎にも角にも彼は死を恐れ、生に執着していたみたいだ。何があったかは知らないけどね。
近所に住んでるみたいでさ、エサをくれては「猫は良いよな」って語り掛けてくるんだ。
猫も大変だぜ? ってにゃーって返すと諦めたように笑ったんだ。
でも実際は諦めてなかったみたいでさ。
怪しげな東洋医学の本やら西洋のオカルティックな魔術書なんかを読み漁ってはああでもないこうでもないって唸っては狂ったようにペンを走らせてさ。
宗教・哲学・文化人類学、そして……「民俗学」に辿り着いた。
何がそこまでハマったのか分からないけどさ。故郷の伝承に運命でも感じたのかな。
まあ、あれだ、要するにさ。「人魚」って奴にお熱になった訳だよ。
知ってるかい? 人魚の血肉を喰らうと不老不死になれるんだとさ。
他のオカルトと何が違うのか俺には分からなかったが、彼は死に場所を求めてるんじゃないか、と直観的に思ったほど末期的に見えたね。
そうして俺に言ったのさ。
「人魚に会う為の方法を知っているか? まず海の底へ行くんだ。そこに留まって彼女の為なら死んでも良い覚悟を見せるんだ! 彼女への愛が確かめられるんだ!」
――精神異常者の入水自殺だ。
痩せこけながら目を輝かせる、そんな彼を止める術を俺は持たなかった。
諦めたものは仕方がない。ただ少しだけ、もうエサがもらえない事だけが悲しかったのさ。
ところでお前さんは愛って何だと思う?
愛って、つまるところ、執着なんだってさ。
そういった意味ではそう、彼は、ご主人は人魚を心の底から愛していたんだ。
何が言いたいかって言うと、まあ、会えたらしいね。うん。人魚。
でも人魚もさぞ驚いただろうね。
自分を心から愛する男が海の底に現れたかと思えばさ。
そいつに殺されちゃうなんてね。
一刻も早く「それ」を喰らいたい彼はまず血を啜ったみたいだ。
するとどうだろう。みるみる生気を取り戻した彼は、嘔吐したね。
狂気と正気の狭間に居たみたいだ。
でもやっちゃったものは仕方ないからね。食べようって話になるんだけどさ。
取り戻した僅かな正気がさ、「魚」を食べようって言うわけだよね。
「これが最後だ」って言ってさ。俺にも「魚」をくれたんだ。
そんなものは要らんってにゃーって返すと困ったように笑ったんだ。
それが俺が見たご主人の最後さ。
今もどこかで……元気にやってるんじゃないかな。きっとね。
????:
皆様ご参加ありがとうございました。春雨と申します。以後お見知りおきを。ところで私の故郷である新潟県上越市には猫又伝説と人魚伝説が残っているそうです。私の年齢ですか? ……もう、忘れてしまいました。おしゃべりが過ぎましたね。それでは、ごきげんよう。