「檸檬」「38ブックマーク」
レモンを購入し、その足で本屋へ向かった男。
彼は目に留まった本を次々に書棚から取り出していった。
そして最後に、手にした本を積み重ねてレモンを乗せると、本屋から走り去った。
独創的オブジェを作ることが目的でないとしたら、一体なぜそんなことをしたのだろう?
彼は目に留まった本を次々に書棚から取り出していった。
そして最後に、手にした本を積み重ねてレモンを乗せると、本屋から走り去った。
独創的オブジェを作ることが目的でないとしたら、一体なぜそんなことをしたのだろう?
19年06月16日 20:31
【ウミガメのスープ】 [もっぷさん]
【ウミガメのスープ】 [もっぷさん]

久しぶりに遊びにきました!名作モチーフです。
解説を見る
【自転車で帰る際に、購入した本でレモンを潰さないため。】
「本を積み重ねてレモンを乗せた」のは、自転車のカゴの中。
果物と本を買って自転車に乗ろうとすれば、男と同じような入れ方をする人も多いだろう。
「本を積み重ねてレモンを乗せた」のは、自転車のカゴの中。
果物と本を買って自転車に乗ろうとすれば、男と同じような入れ方をする人も多いだろう。
「9年目の真実」「36ブックマーク」
今から9年前の春、ある女が死んだ。
名前は夏子。自殺とみられた。
彼女がなぜ死を選んだのか、誰もその理由に心当たりはなかった。
遺書や日記も見つからなかった。
唯一の手がかりは彼女の手帳から発見された、
【 2019年2月10日 】
という走り書きだ。
皆そんな未来の日付に思い当たることはなく、謎は深まるばかり……
そして時は流れ、今日は【2019年2月10日】。
女の家族は9年越しに彼女の死の真相を知り、戦慄することとなった。
さて、どうして夏子は死んだのだろう?
名前は夏子。自殺とみられた。
彼女がなぜ死を選んだのか、誰もその理由に心当たりはなかった。
遺書や日記も見つからなかった。
唯一の手がかりは彼女の手帳から発見された、
【 2019年2月10日 】
という走り書きだ。
皆そんな未来の日付に思い当たることはなく、謎は深まるばかり……
そして時は流れ、今日は【2019年2月10日】。
女の家族は9年越しに彼女の死の真相を知り、戦慄することとなった。
さて、どうして夏子は死んだのだろう?
19年02月10日 22:33
【ウミガメのスープ】 [もっぷさん]
【ウミガメのスープ】 [もっぷさん]

元祖「ウミガメのスープ」のぞくぞく感を目指して!
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【解説】
夏子は15年前の「今日」発生した殺人事件の犯人。
事件後、時効完成の日付をメモしてその日を待ちわびていたが、2010年の時効廃止に絶望し、耐え切れず自殺した。
【物語】
2019年2月10日。
……今日はあの子の手帳に書かれていた日だわ……
冬美は夕食の支度をしながらぼんやりと思った。
長女の夏子がこの世を去ったのは2010年4月28日。まだ、24歳だった。
夫は「仕事疲れで鬱状態だったのかもしれない」と、自殺の理由を推測していたが、冬美に言わせればそんな事はありえなかった。
あんなに頑張り屋のあの子が。
憧れの仕事に就いてあんなに生き生きとしてたあの子が。
仕事を苦に自殺するなんてとても信じられない……
冬美は意識せずともこの9年ずっと「2019年2月10日」に囚われてきた。
そんな予言じみた事があるわけないと思いながらも、何かがわかるのではないかというすがる思いでこの日を待っていたのだ。
◆◆
同日19時、夕飯の席にて。
冬美はいつものように夫と次女・秋菜と食卓を囲んだ。
テレビはニュース番組をやっていた。
──○○区の路上で高校生が殺害された事件から、今日で15年です──
「あ、これ被害者、お姉ちゃんの高校の人だったよね」
秋菜がテレビを指差した。
そんな事件もあったわね、と冬美もテレビに目を向ける。
確か予備校帰りで通り魔に刺されたんだっけ。
現場はうちとは反対方面だし、夏子とは違うクラスの子だったからそこまで気にかけてなかったけれど。
──当時高校3年生だった花園優さんは、帰宅途中に何者かに後ろから──
「まだ人生これからだったのになあ……」
ポツリと夫がつぶやく。無論、自分の娘に重ねあわせた発言に違いない。
冬美も思う。きっとこの被害者の家族も「なぜ死んでしまったの」という思いを抱えて生きてきたんだろう……
私たちと同じように。
──事故発生当時は15年で時効でしたから、本来は今日時効が完成するはずでした──
スタジオのコメンテーターが解説している。
冬美は肉じゃがをつまみながら考えた。
……時効。ご家族はさぞ無念だろう。
逆に犯人にとっては2019年2月10日という日は待ちわびた日だったわけね。
あら?でも確か時効って……
──その後、2010年4月27日の法改正で公訴時効が廃止されました。そのため現在でも──
そうそう。時効って廃止されたのよね。
日本の逃亡中の犯罪者達はさぞかし絶望したことだろう。2010年4月27日……
冬美の箸が止まる。
それって、夏子が死ぬ前日じゃない……
冬美の脳に嫌な考えがむくむくと湧いてきた。
システム手帳のメモページに残されたあの走り書き。
自殺の直前に書かれたものなのかしら?
そうでなかったとしたら。
本当はもっとずっと前、そう、2004年の殺人事件の後に、その時効成立日を忘れないようにメモしたものだとしたら……?
時効廃止のニュースを聞いて絶望して自殺……
……これはまるで。犯人の行動ではないか……
そこまで考えて、冬美は自らの思考を打ち消した。
そんなわけないじゃない、考えすぎよ。偶然よ偶然。
胸騒ぎを押し殺してテレビ画面に注目していると、白黒の映像に切り替わった。店舗の駐車場らしきぼんやりとした映像だ。
──現場付近の防犯カメラの映像です。画面奥の歩道に、現場から立ち去る犯人と見られる人物の映像が写っています。映像解析技術の向上によって鮮明になり、新たな情報として先月警視庁が公開したものです──
家族の目は映像に釘付けになる。
鮮明になったとはいえ性別もはっきりしないようなぼやけた映像だが、それでも冬美にはわかった。
間違いない。この特徴的なバタバタとした走り方。夏子だ。
「ねぇ、お姉ちゃんが死んだのってもしかして……」
秋菜が震える声でつぶやいた。どうやら気づいたらしい。夫も顔面蒼白だ。
家族は戦慄した。ついに思い至った死の真相に。
夏子は15年前の「今日」発生した殺人事件の犯人。
事件後、時効完成の日付をメモしてその日を待ちわびていたが、2010年の時効廃止に絶望し、耐え切れず自殺した。
【物語】
2019年2月10日。
……今日はあの子の手帳に書かれていた日だわ……
冬美は夕食の支度をしながらぼんやりと思った。
長女の夏子がこの世を去ったのは2010年4月28日。まだ、24歳だった。
夫は「仕事疲れで鬱状態だったのかもしれない」と、自殺の理由を推測していたが、冬美に言わせればそんな事はありえなかった。
あんなに頑張り屋のあの子が。
憧れの仕事に就いてあんなに生き生きとしてたあの子が。
仕事を苦に自殺するなんてとても信じられない……
冬美は意識せずともこの9年ずっと「2019年2月10日」に囚われてきた。
そんな予言じみた事があるわけないと思いながらも、何かがわかるのではないかというすがる思いでこの日を待っていたのだ。
◆◆
同日19時、夕飯の席にて。
冬美はいつものように夫と次女・秋菜と食卓を囲んだ。
テレビはニュース番組をやっていた。
──○○区の路上で高校生が殺害された事件から、今日で15年です──
「あ、これ被害者、お姉ちゃんの高校の人だったよね」
秋菜がテレビを指差した。
そんな事件もあったわね、と冬美もテレビに目を向ける。
確か予備校帰りで通り魔に刺されたんだっけ。
現場はうちとは反対方面だし、夏子とは違うクラスの子だったからそこまで気にかけてなかったけれど。
──当時高校3年生だった花園優さんは、帰宅途中に何者かに後ろから──
「まだ人生これからだったのになあ……」
ポツリと夫がつぶやく。無論、自分の娘に重ねあわせた発言に違いない。
冬美も思う。きっとこの被害者の家族も「なぜ死んでしまったの」という思いを抱えて生きてきたんだろう……
私たちと同じように。
──事故発生当時は15年で時効でしたから、本来は今日時効が完成するはずでした──
スタジオのコメンテーターが解説している。
冬美は肉じゃがをつまみながら考えた。
……時効。ご家族はさぞ無念だろう。
逆に犯人にとっては2019年2月10日という日は待ちわびた日だったわけね。
あら?でも確か時効って……
──その後、2010年4月27日の法改正で公訴時効が廃止されました。そのため現在でも──
そうそう。時効って廃止されたのよね。
日本の逃亡中の犯罪者達はさぞかし絶望したことだろう。2010年4月27日……
冬美の箸が止まる。
それって、夏子が死ぬ前日じゃない……
冬美の脳に嫌な考えがむくむくと湧いてきた。
システム手帳のメモページに残されたあの走り書き。
自殺の直前に書かれたものなのかしら?
そうでなかったとしたら。
本当はもっとずっと前、そう、2004年の殺人事件の後に、その時効成立日を忘れないようにメモしたものだとしたら……?
時効廃止のニュースを聞いて絶望して自殺……
……これはまるで。犯人の行動ではないか……
そこまで考えて、冬美は自らの思考を打ち消した。
そんなわけないじゃない、考えすぎよ。偶然よ偶然。
胸騒ぎを押し殺してテレビ画面に注目していると、白黒の映像に切り替わった。店舗の駐車場らしきぼんやりとした映像だ。
──現場付近の防犯カメラの映像です。画面奥の歩道に、現場から立ち去る犯人と見られる人物の映像が写っています。映像解析技術の向上によって鮮明になり、新たな情報として先月警視庁が公開したものです──
家族の目は映像に釘付けになる。
鮮明になったとはいえ性別もはっきりしないようなぼやけた映像だが、それでも冬美にはわかった。
間違いない。この特徴的なバタバタとした走り方。夏子だ。
「ねぇ、お姉ちゃんが死んだのってもしかして……」
秋菜が震える声でつぶやいた。どうやら気づいたらしい。夫も顔面蒼白だ。
家族は戦慄した。ついに思い至った死の真相に。
「ウミガメのスープ」「34ブックマーク」
とあるレストランにて。
運ばれてきたウミガメのスープを一口飲むと、男は首をかしげ、シェフを呼んだ。
「これは何のスープだ?」
「はい、こちらウミガメのスープでございます」
男は納得して頷いた。
次の日。
運ばれてきたウミガメのスープを一口飲むと、男は首をかしげ、シェフを呼んだ。
「これは何のスープだ?」
「はい、こちらウミガメのスープでございます」
男は首をかしげたままだった。
また次の日。
運ばれてきたウミガメのスープを一口飲むと、男は首をかしげ、シェフを呼んだ。
「これは何のスープだ?」
「はい、こちらウミガメのスープでございます」
男は怒り出した。
いったい何故?
運ばれてきたウミガメのスープを一口飲むと、男は首をかしげ、シェフを呼んだ。
「これは何のスープだ?」
「はい、こちらウミガメのスープでございます」
男は納得して頷いた。
次の日。
運ばれてきたウミガメのスープを一口飲むと、男は首をかしげ、シェフを呼んだ。
「これは何のスープだ?」
「はい、こちらウミガメのスープでございます」
男は首をかしげたままだった。
また次の日。
運ばれてきたウミガメのスープを一口飲むと、男は首をかしげ、シェフを呼んだ。
「これは何のスープだ?」
「はい、こちらウミガメのスープでございます」
男は怒り出した。
いったい何故?
18年05月23日 18:06
【ウミガメのスープ】 [アルバート]
【ウミガメのスープ】 [アルバート]
解説を見る
レストランで日替りスープを注文した男。運ばれてきたスープは初めて飲む味だったので、男はシェフを呼んで何のスープなのか尋ねた。
「こちらウミガメのスープでございます」
今までウミガメを食べたことのなかった男は、この答えに納得した。
次の日。
同じレストランでまた日替りスープを注文した男。運ばれてきたスープは昨日のものとよく似ている気がしたので、男は首をかしげ、シェフを呼んで何のスープなのか尋ねた。
「こちらウミガメのスープでございます」
日替りなのに昨日と同じであることに、男は疑問を覚えたが、そういうこともあるのかもしれないとひとまず気にしないことにした。
また次の日。
同じレストランでまたまた日替りスープを注文した男。運ばれてきたスープは過去二日と同じにしか思えなかったので、男は首をかしげ、シェフを呼んで何のスープなのか尋ねた。
「こちらウミガメのスープでございます」
「日替りじゃないのかよ!」
男は怒り出した。
「こちらウミガメのスープでございます」
今までウミガメを食べたことのなかった男は、この答えに納得した。
次の日。
同じレストランでまた日替りスープを注文した男。運ばれてきたスープは昨日のものとよく似ている気がしたので、男は首をかしげ、シェフを呼んで何のスープなのか尋ねた。
「こちらウミガメのスープでございます」
日替りなのに昨日と同じであることに、男は疑問を覚えたが、そういうこともあるのかもしれないとひとまず気にしないことにした。
また次の日。
同じレストランでまたまた日替りスープを注文した男。運ばれてきたスープは過去二日と同じにしか思えなかったので、男は首をかしげ、シェフを呼んで何のスープなのか尋ねた。
「こちらウミガメのスープでございます」
「日替りじゃないのかよ!」
男は怒り出した。
「ユイちゃんのウミガメ一週間」「34ブックマーク」
これから、ユイちゃんの一週間に関する比較的簡単なウミガメのスープを曜日ごとに出題します。
まずは月曜日!
ユイちゃんは夜に玄関から物音が聞こえたので、急いで部屋のドアの裏に隠れた。いったいなぜ?
まずは月曜日!
ユイちゃんは夜に玄関から物音が聞こえたので、急いで部屋のドアの裏に隠れた。いったいなぜ?
18年07月27日 20:24
【ウミガメのスープ】 [だんご部長]
【ウミガメのスープ】 [だんご部長]

一週間分の簡単なスープを解く変則ルールです。
解説を見る
ユイちゃんは生まれつき、目がほとんど見えない。
しかし家族の熱心なケアとひたむきな愛情のおかげで、ユイちゃんは元気に毎日を送っている。
月曜日
ユイちゃんは視覚を失った代わりに、卓越した聴覚を手に入れていた。
夜に玄関から聞こえてきた物音を、仕事帰りの父親のものだと判断すると、
「わっ!」っと驚かせるために、廊下に面したドアの裏に隠れた。
火曜日
ユイちゃんの兄は、ユイちゃんのように病気で苦しむ人を救う為に、将来医師を志していた。
その実現の第一歩として医学部の大学に合格するべく、兄は毎日夜遅くまで受験勉強を頑張っていた。
その夜は生物のややこしいカタカナの用語を声に出して暗記していたのだ。
水曜日
お母さんは毎朝、隣の布団でまだ寝ているユイちゃんを起こすといつも抱きしめた。
この世界の様相が曖昧なユイちゃんに、今ここに確かにある、母親としての絶対の愛情を伝えるためだ。
しかし今日はお母さんの方が寝坊をしたので、ユイちゃんの方からお母さんを起こした。
そして、いつも母親がしてくれているように抱きしめたのだった。
木曜日
ユイちゃんは並外れた聴力によって、お稽古で習っているピアノの演奏もとても上手かった。
ユイちゃんにはそもそも時計が見えなかった。
そこで普段の練習で使っていたメトロノームなら、カップラーメンができる時間を計ることができると考えたのだ。
金曜日
ユイちゃんはお母さんと外でお出かけ中に、お母さんの存在を見失ってしまう。
そしてお母さんを探そうと必死に辺りを彷徨ったが故に、更にお母さんと迷子になってしまった。
ユイちゃんは怖くて大泣きしたが、その泣き声を頼りにお母さんはユイちゃんの居場所が分かったのだ。
土曜日
ユイちゃんは毎週土曜日、自らの病気のことで通院することになっていた。
しかし昨日のことがあってお母さんとはぐれるのが怖く、大きい病院なら尚更外出したくなかった。
日曜日
昨日のことをお母さんから相談されたお父さんは「でもそろそろ一人で外を歩ける練習をした方がいい」と提案した。
そこでまずは初めに、家からすぐ近くの公園までの道を往復することにしたのだ。
ユイちゃんは点字ブロックや白杖の使い方を、すぐ後ろに居た両親と一緒に練習した。
しかし家族の熱心なケアとひたむきな愛情のおかげで、ユイちゃんは元気に毎日を送っている。
月曜日
ユイちゃんは視覚を失った代わりに、卓越した聴覚を手に入れていた。
夜に玄関から聞こえてきた物音を、仕事帰りの父親のものだと判断すると、
「わっ!」っと驚かせるために、廊下に面したドアの裏に隠れた。
火曜日
ユイちゃんの兄は、ユイちゃんのように病気で苦しむ人を救う為に、将来医師を志していた。
その実現の第一歩として医学部の大学に合格するべく、兄は毎日夜遅くまで受験勉強を頑張っていた。
その夜は生物のややこしいカタカナの用語を声に出して暗記していたのだ。
水曜日
お母さんは毎朝、隣の布団でまだ寝ているユイちゃんを起こすといつも抱きしめた。
この世界の様相が曖昧なユイちゃんに、今ここに確かにある、母親としての絶対の愛情を伝えるためだ。
しかし今日はお母さんの方が寝坊をしたので、ユイちゃんの方からお母さんを起こした。
そして、いつも母親がしてくれているように抱きしめたのだった。
木曜日
ユイちゃんは並外れた聴力によって、お稽古で習っているピアノの演奏もとても上手かった。
ユイちゃんにはそもそも時計が見えなかった。
そこで普段の練習で使っていたメトロノームなら、カップラーメンができる時間を計ることができると考えたのだ。
金曜日
ユイちゃんはお母さんと外でお出かけ中に、お母さんの存在を見失ってしまう。
そしてお母さんを探そうと必死に辺りを彷徨ったが故に、更にお母さんと迷子になってしまった。
ユイちゃんは怖くて大泣きしたが、その泣き声を頼りにお母さんはユイちゃんの居場所が分かったのだ。
土曜日
ユイちゃんは毎週土曜日、自らの病気のことで通院することになっていた。
しかし昨日のことがあってお母さんとはぐれるのが怖く、大きい病院なら尚更外出したくなかった。
日曜日
昨日のことをお母さんから相談されたお父さんは「でもそろそろ一人で外を歩ける練習をした方がいい」と提案した。
そこでまずは初めに、家からすぐ近くの公園までの道を往復することにしたのだ。
ユイちゃんは点字ブロックや白杖の使い方を、すぐ後ろに居た両親と一緒に練習した。
「悲劇の食卓」「32ブックマーク」
カメオは食卓にのぼっている食材を見て青ざめた。
いったい何故?
いったい何故?
19年06月11日 19:58
【ウミガメのスープ】 [永日麗(えいひれ)]
【ウミガメのスープ】 [永日麗(えいひれ)]
解説を見る
休日に家で過ごしていたカメオの元に、今年で4歳になるカメオの息子がやってきた。
息子「ぱぱ、かくれんぼ、しよ!」
カメオ「いいよ。パパが鬼かい?」
息子「そう!ぜったいに見つからないばしょ見つけたから!ぱぱはさんびゃくかぞえてね!」
カメオ「三百かあ…多いな」
カメオはキラキラとした瞳で語る息子を微笑ましそうに見つめ、壁に顔を向けて大きな声で数え始めた。
しばらくは息子のどたどたと走り回ったり何かをガタガタと動かす音が聞こえていたが、百を超えた辺りにはしん…と静まり返っていた。
三百はやっぱり多いよ、と思いつつカメオは律儀に三百を数え終え「もーいーかーい?」と聞いた。返事はない。
返事をしたら見つかると思ってるのかな。
カメオは「どこかなー」と大きな声で言いつつ、リビングや子供部屋をゆっくりと探し始めた。
しばらくうろうろと探し回り、やがて辿り着いたキッチンでカメオは目にしてしまう。
キッチンの食卓に無造作に置かれた食材。
それらは卵や牛乳、挽肉といった本来冷蔵庫の中に仕舞われているものだ。それらが乱雑に積まれている。
なぜ冷蔵庫の中の食材が食卓に出されている…?
なぜカメオの息子は返事をしなかった…?
カメオは物音が聞こえなくなってからどれだけ時間が経ったかを思い出し、さっと顔が青ざめた。
そして慌てて冷蔵庫の扉に手を伸ばす。
その中には——
(※昔の冷蔵庫は内側から開けられず、中が完全に密閉されてしまう構造のものが多かったのです)
息子「ぱぱ、かくれんぼ、しよ!」
カメオ「いいよ。パパが鬼かい?」
息子「そう!ぜったいに見つからないばしょ見つけたから!ぱぱはさんびゃくかぞえてね!」
カメオ「三百かあ…多いな」
カメオはキラキラとした瞳で語る息子を微笑ましそうに見つめ、壁に顔を向けて大きな声で数え始めた。
しばらくは息子のどたどたと走り回ったり何かをガタガタと動かす音が聞こえていたが、百を超えた辺りにはしん…と静まり返っていた。
三百はやっぱり多いよ、と思いつつカメオは律儀に三百を数え終え「もーいーかーい?」と聞いた。返事はない。
返事をしたら見つかると思ってるのかな。
カメオは「どこかなー」と大きな声で言いつつ、リビングや子供部屋をゆっくりと探し始めた。
しばらくうろうろと探し回り、やがて辿り着いたキッチンでカメオは目にしてしまう。
キッチンの食卓に無造作に置かれた食材。
それらは卵や牛乳、挽肉といった本来冷蔵庫の中に仕舞われているものだ。それらが乱雑に積まれている。
なぜ冷蔵庫の中の食材が食卓に出されている…?
なぜカメオの息子は返事をしなかった…?
カメオは物音が聞こえなくなってからどれだけ時間が経ったかを思い出し、さっと顔が青ざめた。
そして慌てて冷蔵庫の扉に手を伸ばす。
その中には——
(※昔の冷蔵庫は内側から開けられず、中が完全に密閉されてしまう構造のものが多かったのです)